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養護教諭は幼稚園、小学校、中学校、高等学校の保健室で子ども心身の健康保持、外部医療機関と学校との連絡調整など様々仕事を行っています。学校の保健室で働く養護教諭になるためには養護教諭免許状を取得する必要があります。教員免許状の取得後、教員採用試験の合格(正規)や臨時的任用職員(臨任)、非常勤講師(非常勤)として採用されることで養護教諭として勤務することが可能になります。「小学校の保健室で働くにはどうすればいいですか」「教員採用試験に合格しないと教員をできないのですか」など横浜高等教育専門学校(ヨコセン)のオープンキャンパスでも質問があるので、高校生や社会人がこれから養護教諭になるためにはどうすればいいのか紹介します。
学校の保健室で養護教諭として勤務するために養護教諭免許状が必要になります。養護教諭免許状の取得には養成機関で教職課程の科目履修を行い免許状取得に必要な単位を取得する必要があります。養護教諭免許状を取得することで幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で養護教諭として勤務が可能になります。
また、養護教諭免許状の種類は「専修免許状」、「一種免許状」、「二種免許状」に分かれており、養成機関ごとに取得できる免許状の種類が異なっています。
養護教諭免許状を取得できる教育機関は大学、短期大学、専門学校です。養護教諭の免許状を取得するためには教職課程の科目履修と免許状の種類に応じた基礎資格が必要になります。それぞれの学校で、取得できる免許状は下記の表を参考にしてください。
<学校によって取得できる免許状>
学校 | 専門学校・短期大学 | 大学 | 大学院 |
種類 | 二種免許状 | 一種免許状 | 専修免許状 |
必要な基礎資格 | 専門士・短期大学士 | 学士 | 修士 |
養護教諭免許状を取得できる専門学校・短期大学・大学は他の教員免許状と比べると数が少なくなっています。また、学部学科によっては入学後に校内選考があるところもあります。学部学科名は各大学により異なりますが、教育学部、看護学部、健康・福祉学部などで取得できます。
養護教諭免許状の科目履修をできる大学は全国に141校、短期大学は全国に10校、専門学校は全国に1校(横浜高等教育専門学校のみ)となっています。下記から養護教諭免許状を取得できる大学と短期大学を確認できるので参考にして下さい。
免許状を取得するまでの学費は大学で450~680万円程度、専門学校・短期大学で220万円程度になっています。養護教諭免許状は大学で4年間学ぶか専門学校・短期大学で2年間学ぶかで学費に大きな差が出ます。また大学では学部により他の資格を取得したり他の資格で必要な実習を行ったりする必要も出てくるので、進学先によって学費は大きく違います。
一般的に看護や医療系の学部で取得しようすると高くなる傾向があります。各学校で基礎資格の違いにより取得できる免許状の種類は異なりますが、職務や給与面で免許状による差はないので、自分の学びやすい環境を選ぶことをお勧めします。
<養護教諭免許状を取得するための学費と修業年数>
教育機関 | 専門学校・短期大学 | 大学 |
種類 | 二種免許状 | 一種免許状 |
就学期間 | 2年 | 4年 |
学費 | 220万円前後 | 450~680万円程度 |
ヨコセンにも毎年多くの高校生・社会人が入学していますが、入学理由の一つに2年間の在学で学費を抑えて免許状を取得できることが挙がります。実際、社会人入学者の多くは、会社員のときに貯金した資金で学生生活を送ることがほとんどです。在学中はほとんど収入が入らなくなる中、日々の生活をすることになるので、なるべく短期間で集中して学ぶということが現実的になります。
養護教諭免許状の取得に際して、年齢制限はありません。しかしながら、働く上で定年はあり、養護教諭として公立学校で勤務する場合は、2023年4月まで60歳だった定年を2年に1度一歳ずつ引き上げて最終的に65歳とする予定です(図参照)(※)。すると、今後65歳を超えて教員免許状を取得しようとする人は、免許状を取得自体は可能ですが、公立学校の正規教員としての採用は難しくなります。
教員採用試験はこの定年引き上げに従って、受験資格の年齢制限が2023年度より上がっています。2023年度は60歳までを受験資格の基準としている自治体が多いので定年まで1年あれば教員採用試験を受験し合格する可能性はあります。また、学校現場以外でも教員免許状を有していると評価してもらえる企業もあるので、頑張りたいという方は取得を目指してみてください。ヨコセンでも人数は多くありませんが、毎年50~60代の方から入学に関するお問い合わせをいただくことはあります。
画像引用元)寺子屋朝日 for Teachers「教職員の「65歳定年」、23年度から段階的に 日本教育事務学会理事が解説」
教員免許状の有効期間は2022年7月1日から教員免許状の更新制度がなくなったことにより、今後教員免許状を所持する人は、無期限となります。一度、教員免許状を取得すれば教育現場から離れる期間があっても利用することができるので、別の職を経験したり、子育てを終えてから現場復帰したりすることもしやすくなりました。
ただし、実際には過去に教員や教育分野に関する経験なしに定年直前で教員免許状を取得して働くことは難しいのが現状です。それは免許状取得する際の教育実習の受け入れが難しい場合や実務経験のない年長者の採用などが考えられます。そのため、将来養護教諭になりたいと考えている方は、なるべく早い時期に免許状を取得しておくことが望ましいです。
※2023年は61歳が定年になりますが、2022年で60歳の方は全員定年を迎えているため、定年による退職者は実質的には出ません。
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養護教諭免許状を取得するだけでは、学校の保健室で正規の養護教諭として勤務することはできません。免許状取得後、自治体ごとに教員採用試験を開催しているので、それに合格することで、正規の養護教諭として学校現場に就職することができます。
教員採用試験は2023年までは年1回の実施で7~8月に行われていましたが、2024年から6月から実施となり早期化します。また、自治体によっては複数回試験を実施するところも出てくる可能性があります。
<教員採用試験の早期化による変更点>
2023年まで | 2024年以降 | |
時期 | 一次→7月、二次→8月 | 6月~ |
回数 | 1回 | 複数回の可能性もあり |
前倒し選考 | なし | 大学3年生、短大・専門学校生が筆記試験を受験可能 |
※短大・専門学校生の前倒し選考は、各自治体により受験資格が異なります。例えば横浜高等教育専門学校の1年生の場合は東京都では受験可ですが、横浜市では受験不可となっています。
ヨコセンに入学するとすると養護科の学生は2年生の夏に採用試験を受験していたので、入学後1年3カ月で採用試験に臨んでいました。しかし、今回の早期化で1ケ月早まると1年2カ月で受験することになります。試験前の1か月間は最後の追い込みで大切な期間でした。今後は6月に受験することを見越して、より計画的に学習を進めていく必要があります。
養護教諭の教員採用試験倍率は横浜市、神奈川県、東京都辺りで7~10倍前後、ヨコセンや大学入学後にしっかり勉強するのは当然ですが、入学前にも過去問などを問いて自分の学力の現在地点を把握しておくと良いと思います。
養護教諭として働くには、必ずしも教員採用試験に合格する必要はありません。公立学校で勤務する教員は、教員採用試験に合格した正規教員の他に臨時的任用職員(臨任)と非常勤講師(非常勤)がいます。臨任や非常勤として勤務する場合でも養護教諭免許状は必要であり、大学、短大、専門学校でしっかり養護教諭の教職課程を学んできた人のみが就ける仕事です。
最近は教員不足と働き方改革などにより、現場の先生の数は不足しています。養護教諭も例外ではなく、養護教諭免許状を所持して、勤務したい自治体に臨任、非常勤の登録をしておくと空きができた時点で採用の依頼を受けることができます。
<臨時的任用職員と非常勤講師の職務と待遇>
勤務形態 | 給与 | 社会保険等 | 契約期間 | 副業・アルバイト | |
臨時的任用職員 | 正規教員と同等 | 月額(正規教員と同等) | 正規教員と同等 | 基本的に最長1年(契約期間の更新があることも) | 不可 |
非常勤講師 | 時間勤務 | 時給2548円(横浜市) | 加入要件を満たせば加入 | 通常数カ月~1年 | 可能 |
正規教員以外に臨任と非常勤、2つの働き方がありますが、養護教諭であることには変わりません。ただ臨任の方が、勤務条件や給与等が正規教員と同等なので経験は積めます。また横浜市や他の自治体では、臨任を1年以上経験していると教員採用試験において特別選考枠での受験ができるなどのメリットもあるので、チャンスがあればぜひ臨任を経験してみてください。ヨコセンの養護科の学生も臨任を希望する人は多くいます。
公立学校では教員採用試験が正規教員になるためのハードルですが、私立学校においては教員採用試験の合格の有無は関係なく、学校ごとに個別で採用を行っています。
そのため、私立学校で養護教諭を希望する場合は、その学校のホームページや求人サイト等で募集があるかどうか確認する必要があります。試験日程、試験内容、採用後の給与、その他待遇まで学校ごとに異なるので一般的な会社に就職することと変わりません。私立学校では独自の教育・スポーツ・芸術など力を入れているところもあるので自分にあった学校を探してみると良いです。公立学校だけにこだわらない人は養護教諭免許状を取得後、私立学校での就職も視野に入れるとよいでしょう。
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養護教諭として就職するために養護教諭免許状は必ず必要になるので、免許状を取得できる学校を探しましょう。学校を選ぶ上でポイントとなるのは下記の3つです。
まず、大学で4年間かけて取得するか専門学校・短期大学の2年間で取得するか考えましょう。 大学は進学先の選択肢も多く、入学後も4年間かけてしっかり学びを深めることができます。しかし大学と専門学校・短期大学の2年間の差は大きく、ヨコセンに高校新卒が入学すると20歳で養護教諭になることができます。また、社会人や大学新卒などの場合、2年という短期間が社会復帰するまでの大きなメリットになります。4年間というスパンで考えると専門学校や短期大学に入学した場合、3年目4年目はすでに養護教諭として働いているので経済面での負担も少なくなります。
入学後は養護教諭を目指す環境が整っているかも重要です。大学では様々な就職の選択肢の中に養護教諭を考えている人も多いので、養護教諭について学ぶ中で違うなと感じれば、方向転換もできますが、周りとのモチベーションにギャップを感じる可能性もあります。ヨコセンのような専門学校では目標を養護教諭のみに絞って入学しているのでモチベーションが保ちやすい反面、他の就職の幅は狭まります。最近では、介護職や放課後等デイサービスに正規職員として就職する学生も増えていますが分野として教育関連の職場が多いです。ただ目標が固まっている人は2年間学んで学校現場に行くことを考えても良いと思います。実際にヨコセンの入学生も2年間で免許状が取得できるところに魅力を感じて入学している学生も多いので、免許状取得までの時間とお金の違いはよく考えましょう。
<大学とヨコセンに入学した場合の4年間のイメージ>
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | |
横浜高等教育専門学校 | 専門学校1年生 | 専門学校2年生(卒業)・教員採用試験受験 | 養護教諭として就職・教員採用試験受験
養護教諭としての収入も入る |
|
大学 | 大学1年生 | 大学2年生 | 大学3年生 | 大学4年生・教員採用試験受験 |
一般的な学費は前述している通り専門学校・短期大学で220万円前後、大学で450~680万円程度です。学費に関して保護者から支援を受けられるのであれば、問題ないと思いますが、自分で全額負担するという方も多いと思います。一人暮らしをする場合は生活費と住居費も家族と住むより費用がかかるので、事前に必要な費用を書き出しましょう。
例えば、一人暮らしでは、総務省統計局公表の「家計調査2022年度(表番号1)」によると以下のようになっています。
<一人暮らしの生活費>
食費 | 39069円 |
水道光熱費 | 13098円 |
家具・家事用品 | 5487円 |
被服及び履物 | 5047円 |
保健医療 | 7384円 |
交通・通信 | 19303円 |
教養娯楽費 | 17993円 |
その他の支出 | 31071円 |
消費支出合計 | 138452円 |
引用元)総務省統計局公表の「家計調査2022年度(表番号1)」
一人暮らしの全年齢、全地域の平均なので学生の場合は、もう少し額が小さくなると思いますが、生活するだけでも13万円近いお金が必要になります。また横浜高等教育専門学校に入学する場合は、東急東横線の白楽駅周辺でアパートなどを借りると思います。ヨコセン周辺の家賃相場は下記のようになっています。
<東急東横線の各駅と家賃相場2022年2月現在>
駅名 | 家賃相場(参考) | 各駅停車で白楽までの所要時間 |
武蔵小杉 | 7.81万円 | 約18分 |
元住吉 | 7.29万円 | 約16分 |
日吉 | 6.67万円 | 約14分 |
綱島 | 6.83万円 | 約12分 |
大倉山 | 6.97万円 | 約10分 |
菊名 | 6.41万円 | 約4分 |
妙蓮寺 | 6.05万円 | 約2分 |
白楽(最寄り駅) | 6.22万円 | |
東白楽 | 6.23万円 | 約2分 |
反町 | 6.97万円 | 約4分 |
横浜 | 8.35万円 | 約5分 |
生活費と住居費全て自己負担する場合は月に18~20万円前後、年間で216~240万円。2年間分の学費とほぼ同等が必要になる可能性があることを認識してしっかり資金計画を立てましょう。社会人の人でも通える範囲であれば、実家に戻るなどできれば生活費と住居費での負担はかなり軽減されると思います。また、在学中はアルバイトをする、奨学金を借りるなどで貯金だけに頼らない方法も検討しましょう。横浜高等教育専門学校では、社会人や大学新卒の方でも日本学生支援機構奨学金を借りることもできます。
>>一人暮らしについて詳しく知りたい方はこちら→「東急東横線沿線で一人暮らしを考えている方へ、専門学校生が一人暮らしをするメリットとデメリット」
養護教諭は日々教室で子ども達に授業をすることがメインの職務ではありませんが、学校の先生として就職するにあたって最低限必要な学力はあります。そして、養護教諭の場合は教員採用試験の1次試験で主に問われますが、その基準は小学校教諭と比べると高いです。令和4年度横浜市の一次試験の倍率は小学校教諭で1.2倍、養護教諭で2.5倍でした。
大切なのは中学までの学習をしっかり理解しているのかということです。公立学校の教員を採用する教員採用試験の一般教養試験では中学までの内容を理解していれば正解することができる問題が数多くあります。中学の勉強は誰もが一度はやってきた内容なので未知の領域ではないはずです。
教員採用試験の過去問は書店で売っているので一度買って解いてみてください。自分の現在地がわかると思います。また、改めて勉強し直す場合も過去に一度経験していることなので、理解のスピードは速いと思います。教員採用試験の合格を本気で目指すのであれば、中学までの学習はしっかりやっておくと進学後にグッと楽になると思います。
参考)過去の試験情報(横浜市)
養護教諭の仕事が実際にどんなものか理解していますか?おそらく養護教諭を実際に経験しないとわからないことは数多くあります。養護教諭への理解を深めるためには、皆さんが持つ養護教諭のイメージと実際の仕事内容とすり合わせる作業が必要になります。
そのための方法が実際に養護教諭の話を聞く、職業体験する、専門学校や大学のオープンキャンパスに行くことです。その中でも現役養護教諭の話を聞くことが職業理解への一番の近道です。仕事でのやりがい、大変さ、喜び、学生の頃とのギャップなど率直な意見を聞くことができます。せっかく高いが学費を払って大学・専門学校・短期大学に入学し、養護教諭免許状を取得して学校現場に就職したとしても、すぐに離職してしまうようなら意味がありません。自分のモチベーションを高める意味でもぜひ養護教諭の職について理解を深めてください。
横浜高等教育専門学校では養護教諭への理解深めてもらうために2023年7月29日(土)にヨコセン卒業生の現役養護教諭を呼んでパネルディスカッションを行います。このイベントはこれから養護教諭を目指す高校生や社会人・大学生の方を対象としてオープンキャンパスの一環として開催します。現役養護教諭の生の話を聞いてみたい、質問してみたいといういう方はぜひご参加ください。
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以上、【養護教諭になるには】高校生・社会人から養護教諭免許状を取得して就職する方法について解説してきました。教員採用試験を合格して公立学校の養護教諭になることは決して簡単ではありません。覚えておいてほしいことは養護教諭免許状をもっていれば誰でも養護教諭になれる可能性があること、つまり教員採用試験に合格しなくても臨時的任用職員や非常勤講師として働くこともできるし私立学校の養護教諭として採用されることも可能があるということです。
そのためには大学・専門学校・短期大学で養護教諭免許状を取得してください。学び・時間・学費、何を優先するかで学校選びは変わってきます。横浜高等教育専門学校は2年間という短期間と学費の面に魅力感じて入学している人が多いとお伝えしましたが、学びの面も保健室現場で使うスキルや知識など実践的な学びを重視しています。皆さん志望校の一つとしてぜひ検討してみてください。
横浜高等教育専門学校では2年間で小学校教諭・養護教諭・幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得できる学校です。社会人経験者の20~40代の学生が2年間、一生懸命勉強して、多くの卒業生が神奈川や東京、全国各地の教育現場で活躍しています。ヨコセンのホームページには卒業生に仕事のやりがいについて聞いたり、学生時代の思い出をインタビューしたりした卒業生インタビューも多数掲載しているので、学校の先生、保育士に興味ある方、詳しく知りたい方は、ヨコセンのホームページをご覧ください。受験前や入学前に直接学生と話して、学校の雰囲気を感じたい方には、学校説明会も随時開催中です(遠方の方はオンラインでも実施しています)。ぜひ一度お越しください。
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