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2023年10月27日
【小学校教諭の給与】小学校教諭の年収○○万円で充実した人生を送れるのか

小学校教諭になってお金に困らない生活は送れるだろうか?仕事とプライベートを両立して充実した人生を送れるだろうか?今後小学校教諭を目指す人にとってはとても重要なことだと思います。小学校教諭に限らず、多くの学校の先生は公務員という立場で残業した場合、働いた時間に応じお金が発生するのでなくそれを補う定額支給があり、「定額働かせ放題」という言葉も出てきています。今回は小学校教諭を目指し実際に就職することで給与はいくらもらえるのか?仕事後の自分の時間はあるのか?教師をすることで自分の人生は豊かになるのか?について紹介していきます。

 

【小学校教諭の給与】小学校教諭の年収○○万円で充実した人生を送れるのか

 

<<目次>>

  1. 小学校教諭の平均的な給与
  2. 公立学校教員の給与制度
  3. 20代小学校教諭の給与実態
  4. 小学校教諭で臨任・非常勤として勤務する場合の給与
  5. 小学校教諭の年収で人生は豊かになるのか

 

 

1、小学校教諭の平均的な給与

小学校教諭の平均年収は641万円

R4年地方公務員給与の実態によると公立学校の小学校教諭は平均月給40.8万円、ボーナス(勤勉手当+期末手当は約4ヶ月分で計算)約152万円で年収にすると641万円です。2022年の民間企業の平均年収は国税庁の調査から458万円(会社員・パート従業員含む)とされているので、世間的にみると給与額的には高い部類の職業です。

 

<月給とは>

月給は毎月もらう給与のことです。これには基本給、各種手当てが含まれています。

 

<年収とは>

年収は月給と月ごとに金額変動する手当ての12か月分、ボーナス(期末手当と勤勉手当)を合計して1年間で得られる給与のことを指します。

参考)R4年地方公務員給与の実態

 

 

 

 

2、公立学校教員の給与制度

職務の級と号給によってベースの給料が変わる

公立学校の教員になると、所属する自治体の教育職給料表の基準に従って給料が決定します。教育職給料表(東京都の場合)は「職務の級」と「号給」に分かれています。ここでは東京都の場合を例に紹介していきます。

職務の級は役職の位で以下のようになっています。

1級 2級 3級 4級 5級 6級
講師・実習助手など 教諭 主任教諭 主幹教諭 副校長 校長

教員採用試験に合格して正規教員になっている場合や臨時的任用職員(臨任)の場合はは、2級に該当します。2級以降は昇格試験に合格して昇進していくことで職務の級を上げていくことができます。

 

号給は、毎年改定される項目で、ここが毎年の給料アップのベースとなります。号給は毎年現在の号給に0~6の加算があり、基本的には+4上がります。東京都の場合、号給が+4されると6500円前後給料がアップします。

 

では、横浜高等教育専門学校を在学中に現役で教員採用試験に合格し、卒業後、正規の小学校教諭として勤務する場合の職務の級と号給はどうなるでしょうか。

<高校新卒でヨコセンに入学した場合>

→2級1号給

 

<大学・社会人を経験して入学した場合>

→2級○号給

 

大学や社会人を経験していると号給が加算されるので人それぞれ異なります。参考程度ですが、大学新卒(23歳)が2級9号給なので、そこを基準に社会人経験1年を4号給分と仮定して足していくと給料の目安が分かります。詳細を知りたい方は教育委員会にお問い合わせください。

 

東京都では令和5年度東京都公立学校教員採用候補者選考(6年度採用)実施要綱に学歴、経歴ごとに初任給の目安を以下のように記載しています。

学歴・経験 小学校教諭の初任給
短大卒・専門卒 約234100円
大学卒 約254500円
社会人経験者(5年) 約296500円
社会人経験者(10年) 約337800円
社会人経験者(15年) 約378600円

 

 

もっと詳しく知りたいという方は下記から東京都の教育職給料表をご覧ください。

参考)東京都職員給料表

参考)令和5年度東京都公立学校教員採用候補者選考 (6年度採用)実施要綱

 

 

小学校教諭の給与手当て

小学校教諭の給与は給料と手当ての2種類の合計金額になります。給料については上記で説明した通り、職務の級と号給によって決定します。次に手当てについて説明します。小学校教諭に関わる手当ては以下のようなものがあります。

  1. 扶養手当
  2. 住居手当
  3. 通勤手当
  4. 地域手当
  5. 特殊勤務手当
  6. 義務教育等教員特別手当
  7. 管理職手当
  8. へき地手当

 

扶養手当、住居手当、通勤手当に関しては、個々の家庭状況や通勤環境に大きく左右されるので言及しませんが、参考程度にR4年地方公務員給与の実態によると平均で扶養手当6521円、住居手当5802円、通勤手当6840円となっています。

 

【地域手当】

地域手当は小学校教諭の手当ての中でももっと額が大きく手当てのメインとなるものです。地域手当は勤務地によって支給割合が変わりますが、基本的に給料+扶養手当+管理職手当の合計に地域ごとの割合を掛け算します。

 

<地域手当の計算方法>

(給料+扶養手当+管理職手当)×支給割合

 

<主な地域の支給割合>

東京都(23区&多摩地区) 横浜市 神奈川県
20% 16% 約12%

 

<具体例>

仮に高校新卒からヨコセンに入学して扶養家族なしで東京都に現役合格した場合、2級1号給になるので、給料は185800円、扶養手当0円、管理職手当0円となるので下記のように計算します。(R5年度東京都教職給料表参考)

(185800×1.04(教職調整額←後ほど解説)+0+0)×20%=38646円

 

自分が就職したい自治体の地域手当を知りたい方は、ぜひ一度調べてみてください。

参考)学校職員の地域手当に関する規則

参考)横浜市一般職職員の給与に関する条例

参考)令和4年度現業職員の給与改定等に係る交渉の概要

 

 

【特殊勤務手当】

特殊勤務と名前が付くぐらいなので、通常の教員業務とは異なる仕事をしたときに支給される手当です。東京都では下記のような特殊勤務手当があります。

  1. 放射線業務従事手当
  2. 夜間学級通信教育勤務手当
  3. 夜間定時制教育勤務手当
  4. 有害薬品取扱手当
  5. 特別支援学校看護業務手当
  6. 交替制勤務者等業務手当
  7. 教員特殊業務手当
  8. 小笠原業務手当

小学校教諭が上記の職務に係ることはかなり稀かと思います。ただ「教員特殊業務」については非常災害時等の緊急業務、修学旅行や対外運動競技等の引率指導業務も含まれるので、緊急時や学校行事関連で支給される機会があるかもしれません。

参考)学校職員の特殊勤務手当に関する条例

 

【義務教育等教員特別手当】

名前の通り義務教育学校の教員に支給される手当です。小学校は義務教育なので小学校教諭もこの支給に該当します。義務教育等教員特別手当の額は職務の級と号給によって額が変わるので、一概にいくらとは言えませんが、参考の表を見てもらうと金額感が分かります。ちなみに高校新卒からヨコセンで東京都に新卒合格した場合の2級1号給なら2270円です。

参考)義務教育等教員特別手当に関する規則

 

【管理職手当】

管理職手当は校長、副校長、教頭に昇進すると支給される手当になります。校長、副校長、教頭の職に就くと職務の級も上がるため、管理職手当と合わせてかなりの給与アップが見込まれます。東京都の場合は副校長・教頭で80700円、校長で104500円の手当てが支給されます。

参考)管理職手当支給に関する規則

 

【へき地手当】

東京都の場合は離島(大島、神津島、八丈島など)で勤務する場合に支給される手当になります。へき地には1級~5級まで定められていて、該当する級の手当て支給割合があります。また、へき地勤務の場合は職務の級と号給によって決定する給料が別枠になります。教諭(職務の級が2級)の場合は477500円が給料になります。へき地以外の教諭(職務の級2級)で最大177号給でも386300円なので、へき地は給与面ではとても優遇されています。これに15~25%のへき地手当(へき地の級により異なる)が加算されることになります。

参考)へき地手当等に関する規則

 

みなし残業代とされる教職調整額

小学校教諭は残業代がでないと聞いたことがあるかもしれません。一般企業に勤めるサラリーマンであれば、勤務時間外労働は残業とみなされて働いた時間に応じて賃金が支払われます。しかし小学校教諭には教職調整額という手当てがあり給料表額の4%が支給されています。これが実質残業代の代わりとなっています。そのため小学校教諭がどれだけ残業をしてもそれによって給与が増えることはありません。

教職調整額は世間でも問題視されていますが、初等課程の卒業生が話していた言葉で「支払われる額決まっているから逆に仕事はこの時間までに終わらせるようにしようと考えている」と聞き、ポジティブに捉えるとまた違う見方できるのだと思います。

参考)義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例

 

 

3、20代小学校教諭の給与実態

大学卒ヨコセン卒業の小学校教諭年収430~450万円

【今回のモデルケース→20代・男性・既婚・扶養家族なし】

<主な経歴>

大学

横浜高等教育専門学校

私立小学校教諭

神奈川県小学校教諭

 

大学新卒からヨコセンに入学し私立学校での教員経験を経て、神奈川県の教員採用試験に合格し、現在正規の小学校教諭(1年目)として勤務する卒業生に実際どの程度給与が出ているのかインタビューしてみまた。

 

Q1:毎月給与はどのくらいもらっていますか?

A1:額面で約28万円、手取りで約26万円程度です。※1

 

Q2:毎月残業(勤務時間外の仕事)はどの程度していますか?

A2:月に40時間程度です。大体7:30に出勤して18:30~19:00ごろに退勤しています。

 

Q3:貯蓄や資産運用はしていますか?

A3:積み立てNISA毎月3万円とそれ以外で貯蓄もしています。

 

Q4:今の生活レベルで給料は足りていますか?

A4:生活においては問題ありません。ただもっともらえていれば買いたいものや自分の経験のために使いたいという気持ちはあります。

 

Q5:小学校教諭の給与に関してどう思いますか?

A5:教員は残業代という概念がないので仕事量に比べて少し少ないと感じるのが正直なところです。ただ毎年昇給して給料はしっかり上がっていくので生活レベルを上げなければ、自然とお金は増えていくと思います。

 

※額面とは、支払われる給与の全額です。手取りはここから社会保険料が引かれます。

 

 

 

 

4、小学校教諭で臨任・非常勤として勤務する場合の給与

臨時的任用職員は正規と同等

東京都で臨時的任用職員(臨任)の小学校教諭として勤務する場合の給与は、正規採用時と同等です。臨任の場合でも2、公立学校教員の給与制度で紹介した職務の級は2級、号給は職歴等で加算されます。そのため、高校新卒からの横浜高等教育専門学校卒であれば2級1号給で約234100円、大学卒であれば約254500円となります。

 

<R6年度採用東京都の小学校教諭臨任の場合>

専門学校卒(横浜高等教育専門学校) 大学卒
約234100円 約254500円

※横浜高等教育専門学校卒業でも大学新卒・社会人入学者で、大学卒業の学歴を持つ方は大学卒の給料になります。

 

上記の給与には教職調整額、地域手当、義務教育等教員特別手当も含まれています。また支給要件を満たすと勤勉手当・期末手当(ボーナス)もあったり6ヶ月以上の任用期間があると任用期間終了時に退職金も支給されたりするため、教員採用試験の合格を目指す方は、正規教員と同等の経験が積める臨任になるメリットが非常に高いです。

 

高い時給で勤務できる非常勤講師

非常勤講師は正規教員や臨任のように1日働くのではなく、時間単位での勤務をすることが可能です。東京都の場合は1週間で26時間、1日あたり8時間以内の1時間単位で勤務できます。時間単位での勤務になるため、給料は時給制になります。

 

東京都の小学校教諭として働く場合の時間報酬は以下の通りです。(R5年度4月1日時点)

 

教育職員としての経験年数 時間額
1年未満 1,880円
1年以上2年未満 1,950円
2年以上3年未満 2,020円
3年以上4年未満 2,090円
4年以上5年未満 2,160円
5年以上6年未満 2,230円
6年以上7年未満 2,310円
7年以上8年未満 2,400円
8年以上9年未満 2,490円
9年以上10年未満 2,590円
10年以上11年未満 2,670円
11年以上12年未満 2,790円
12年以上13年未満 2,870円
13年以上14年未満 2,970円
14年以上15年未満 3,060円
15年以上16年未満 3,160円
16年以上17年未満 3,260円
17年以上 3,360円

 

また、年度内で6月1日及び12月1日に在籍し6ヶ月以上の任用期間があると期末手当も支給されます。

 

5、小学校教諭の年収で人生は豊かになるのか

ここでは小学校教諭の年収の豊かさを経済面と精神面に分けて考えてみたいと思います。

 

経済面での豊かさ

最初に紹介したように小学校教諭の平均年収は641万円で一般的にみると高い部類に入ります。仕事と報酬に関する価値観は一人ひとり異なりますが、数字面で捉えると公立小学校教諭の年収であれば経済面での豊かさは手に入ると考えられます。

また、長く経験を積んだ後は、非常勤講師としても時給3000円以上と好待遇で働くことも可能です。現在は教員免許状の期限も無期限となり70代でも非常勤講師として活躍している方もいます。ある程度の経験は必要ですが、総合的に考えると給与的には恵まれた職業と考えられます。

 

精神面の豊かさ

精神面ではやりがいや仕事の充実感について考えてみます。公立小学校教諭の給与は経験を重ねるごとに昇給していきます。しかし、行う仕事内容は管理職や特別な役割がなければ若手からベテランまで日々の授業を行い、学級経営をしていくことに大きな違いはありません。小学校教諭になってから数年は自分のスタイルを確立したり業務効率化を模索したりする中で、子どもと向き合う時間以外も増えて給料と見合っていない、大変だなと思う場面もあるかもしれません。

 

そんな中でも、「子どもの成長を見れるのが嬉しい」「子どもたちから感動や喜びをもらえる」など、他の職業ではなかなか経験できないやりがいや充実感を感じることができます。

特に若手のときは「仕事量に対して給料が少ない」と感じることもあると思いますが、小学校教諭としてのやりがいや充実感がその差分を埋めてくれるのではないでしょうか。

 

 

 

 

以上、【小学校教諭の給料】小学校教諭の年収○○万円で充実した人生を送れるのかについて解説してきました。

小学校教諭の給与は一般的には高い部類に入り、残業代の概念がないなど今後改善の余地がありそうな部分もありますが、経済面、精神面ともに充実した人生を送れる職業の一つだと思います。教員免許状の更新期限も無期限となり一度取得すれば、生涯にわたって使用できる資格となります。小学校教諭を目指そうと考えている人もそうでない人も、将来の仕事の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

 

横浜高等教育専門学校では2年間で小学校教諭・養護教諭・幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得できる学校です。高校新卒者や社会人経験者の20~40代の学生が2年間、一生懸命勉強して、多くの卒業生が神奈川や東京、全国各地の教育現場で活躍しています。ヨコセンのホームページには卒業生に仕事のやりがいについて聞いたり、学生時代の思い出をインタビューしたりした卒業生インタビューも多数掲載しているので、学校の先生、保育士に興味ある方、詳しく知りたい方は、ヨコセンのホームページをご覧ください。受験前や入学前に直接学生と話して、学校の雰囲気を感じたい方には、学校説明会も随時開催中です(遠方の方はオンラインでも実施しています)。ぜひ一度お越しください。

 

 

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