
YOKOSEN BlogでわかるYOKOSEN LIFE!
YOKOSEN Blog.
「小学校の先生になりたい。でも免許には一種と二種があるらしい。二種を選ぶと、何か損をするんだろうか」
この疑問は、進路を決める手前で必ず出てきます。
特に、仕事を辞めて学び直そうと考えている方にとっては切実です。
2年で取るか4年かけるかは、収入が途切れる期間にも、貯金にも、その後の人生設計にも直結します。
ところが調べても、なかなかはっきりしません。
多くの記事は「仕事内容に違いはありません」で終わってしまいます。
給与についても「数千円から2万円ほど差が出ることがあります」と幅が広く、どの自治体の話なのかも書かれていません。
管理職に至っては、「一種免許状が必要」と書く記事と「二種でもなれる」と書く記事が混在しています。
そこでこの記事では、二種免許状について語られる不安を7つに整理して、1つずつ検証しました。
使ったのは、横浜市と東京都が公表している初任給の実額、学校教育法施行規則の条文、そして本校の学費と在校生の証言です。
読み終えるころには、「自分の場合、二種免許状を選んで損なのかどうか」を、自分で判断できるようになっているはずです。
目次

小学校教諭の普通免許状には、二種・一種・専修の3つの種類があります。
違いは、免許状を取るために必要な基礎資格と、修得しなければならない単位数の2点だけです。
免許状の種類によって、担当できる学年や教科が変わることはありません。
違うのは「取るまでの道のり」であって、「取ったあとにできること」ではない。
まずはここから押さえていきましょう。
3種類の免許状は、次のように整理できます。
| 免許状の種類 | 基礎資格 | 最低修得単位数 | 修学期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 二種免許状 | 短期大学士(指定教員養成機関の修了を含む) | 45単位 | 2年 |
| 一種免許状 | 学士 | 67単位 | 4年 |
| 専修免許状 | 修士 | 91単位 | 修士課程で2年 |
※教育職員免許法の別表第一に定められた単位数(二種37単位・一種59単位・専修83単位)に、日本国憲法・体育・外国語コミュニケーション・情報機器の操作など4科目8単位(同法施行規則第66条の6)を加えた合計です。
基礎資格とは、その免許状を申請するために前提として必要な学位のことです。
二種免許状なら短期大学士、一種免許状なら学士(4年制大学の卒業)、専修免許状なら修士が必要になります。
なお、専修免許状の「2年」は、一種免許状を取ったあとの大学院2年を指しています。
学部4年と合わせると6年です。
「専修は2年で取れる」と読み違えないようご注意ください。
ここでひとつ、混乱しやすいポイントを補足しておきます。
大学を卒業された方は、「自分は124単位取って卒業したはずだけど、67単位というのは何の話だろう」と思われたかもしれません。
この2つは、別のものさしです。
大学で一種免許状を取る場合は、卒業要件の124単位を満たしながら、そのうちの一部と追加の履修を組み合わせて、教職の67単位を積み上げていく形になります。
両者は重なる部分があるため、教職課程のために上乗せで履修する単位は、一般に45単位前後というのが目安です。
つまり表に挙げた45単位・67単位・91単位は、「教員免許状を取るために必要な単位」を指しています。
卒業までに履修する授業の総量とは別の数字だと考えてください。
二種免許状は短期大学で取るのが一般的ですが、もう1つルートがあります。
文部科学大臣の指定を受けた「指定教員養成機関」の対象課程を修了する方法です。
ここは学校選びで最も間違えやすいところかもしれません。
教育系の専門学校であればどこでも小学校教諭免許状が取れる、というわけではないのです。
指定を受けていない学校では、どれだけ熱心に学んでも免許状の申請ができません。
本校(横浜高等教育専門学校)はこの指定教員養成機関にあたり、全国で唯一の2年制の小学校教諭養成専門学校です。
児童科初等課程を卒業すると、小学校教諭二種免許状を取得できます。
進学先を検討するときは、パンフレットの雰囲気より先に、「指定教員養成機関か、課程認定を受けた短期大学・大学か」を確かめておくと安心です。
これは学校のウェブサイトに必ず記載されています。

ここからが本題です。
二種免許状について語られる不安を7つに整理して、公的資料で1つずつ確認しました。
先に結論をまとめておきます。
| 論点 | 検証結果 |
|---|---|
| 給料 | 高校卒業後に進学した場合は月24,000円の差。大学卒業後に取得した場合は差が出ない |
| 採用試験 | 免許状の種類は選考の対象になっていない |
| 仕事内容 | 学級担任も学年主任も担当できる |
| 管理職 | なれる。「一種+5年」か「勤続10年」のいずれかで要件を満たす |
| 一種への切り替え | 努力義務であって強制ではない。切り替えなくても失効しない |
| 学びの深さ | 単位数は22少ない。ただし内容が薄いわけではない |
| 学べる学校の数 | 少ない。ここが事実上、唯一のデメリット |
7つのうち6つは「不利にならない」という結論になりました。
ここから、それぞれの根拠を見ていきます。
結論から言うと、高校卒業後に二種免許状を取った場合、初任給は大学卒より月24,000円ほど低くなります。
ただしこれは免許状の種類による差ではありません。
理由は少し先で説明します。
まずは実額を見てください。
| 自治体 | 短期大学卒 | 大学卒 | 差 |
|---|---|---|---|
| 横浜市 | 月303,000円 | 月327,000円 | 月24,000円 |
| 東京都 | 約303,700円 | 約326,100円 | 約22,400円 |
※横浜市は2026年1月現在、東京都は2025年4月1日現在。
いずれも基本給ではなく、教職調整額・地域手当などを含んだ月額です。
金額は年度の給与改定により変わります。
月24,000円は、年間にすると約29万円になります。
横浜市が公表している年収モデルでは、短期大学卒が約472万円、大学卒が約510万円なので、賞与を含めた差は約38万円です。
決して小さい額ではありません。
ただ、ここで見落としてはいけない点があります。
#### この差を生んでいるのは「免許状の種類」ではなく「学歴区分」
二種免許状だから減額される、という仕組みはどこにも存在しません。
教員の給与は、自治体の給料表にもとづいて、採用時点の学歴と職歴から初任給が決まります。
差を生んでいるのは学歴区分であって、免許状の種類ではないのです。
この違いは、実務のうえでとても大きな意味を持ちます。
大学を卒業したあとに指定教員養成機関で二種免許状を取得した場合、採用時の学歴区分は「大学卒」になります。
つまり本校のように、大学卒業後に入学して二種免許状を取るルートでは、初任給の差そのものが発生しません。
「二種免許状は給料が低い」という説明は、高校卒業後に進学した場合にだけ当てはまる話です。
社会人や大学卒業者が学び直すケースには、そもそも当てはまりません。
#### では高卒から進学した人は、損をするのか
「自分は高校卒業後に進学するから、やっぱり差がついたままなのか」と思われた方もいるはずです。
ここは数字で見てみましょう。
差がつくのはスタートラインです。
一方で、二種免許状のルートには2年早く働き始められるという効果があります。
この2つを並べると、印象がかなり変わります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2年早く働くことで得られる収入 | 約945万円 |
| 私立大学との学費の差 | 約277万円 |
| 初任給の差(年額) | 約38万円 |
2年分の収入は、横浜市の短期大学卒モデル(年収約472万円)を2年分積み上げた概算です。
これに学費の差を足すと、二種免許状のルートはスタート時点でおよそ1,220万円ぶん先行していることになります。
この先行分を、年38万円の差が追いかけていく計算になります。
単純に割ると、追いつくまでにおよそ32年。
22歳で働き始めたとすると、50代の半ばです。
国立大学と比べた場合(学費の差が約27万円)でも、およそ26年かかります。
もっとも、この試算はかなり単純化したものです。
次の点は考慮していません。
ですから「30年で逆転する」と言い切れるものではありません。
それでも、初任給の差だけを見て「二種は損」と判断するのは早いということは言えます。
2年という時間には、月24,000円という数字に負けないだけの重みがあります。
なお、教員の給与は経験年数に応じて毎年上がっていくので、金額そのものは着実に増えていきます。
給与のしくみ(号給、前歴換算、手当の種類、年代別の年収モデル)については、別記事で詳しく解説しています。
▶ 関連記事:小学校教員の給与は高い?低い?年収・初任給・手当を2026年最新データで解説
教員採用試験で、免許状の種類が加点や減点の対象になることはありません。
選考は、筆記試験、面接、模擬授業、場合によっては実技を通じて行われます。
評価されるのは、教科の知識、子どもへの向き合い方、指導力、そして人物です。
願書に免許状の種類を書く欄はあっても、それが点数化される仕組みにはなっていません。
受験資格についても、多くの自治体は「小学校教諭普通免許状を有する者、または取得見込みの者」と定めていて、種類までは限定していません。
普通免許状とは、専修・一種・二種をまとめた呼び方です。
ただし、受験資格や選考方法は自治体ごとに異なります。
年齢制限や特別選考の要件にも違いがあるので、受験を考えている自治体の募集要項は、最新版を必ず確認しておきましょう。
免許状の種類によって、担当できる仕事が制限されることはありません。
授業、学級経営、児童指導、保護者対応、校務分掌。
小学校教諭が担うすべての職務を、二種免許状で担当できます。
学級担任はもちろん、学年主任や教務主任を任されることもあります。
このことは条文からも確認できます。
学年主任と教務主任は学校教育法施行規則第44条に定められた職ですが、条文は「指導教諭又は教諭をもつて、これに充てる」と規定しているだけで、免許状の種類を条件にしていません。
普通免許状は、種類にかかわらず全国の学校で有効です。
「二種だから低学年しか持てない」「二種だから専科にまわされる」といった決まりは、制度上どこにもありません。
ここは、誤った説明が最も多く出回っている論点です。
「校長や教頭になるには一種免許状以上が必要」と書いている記事は少なくありません。
けれど条文を読むと、そうとは限らないことが分かります。
校長の資格は、学校教育法施行規則第20条に定められています。
次の2つのうち、どちらかを満たせば要件をクリアします。
| ルート | 要件 |
|---|---|
| ①免許+経験 | 教諭の専修免許状または一種免許状を有し、かつ教育に関する職に5年以上あったこと |
| ②経験のみ | 教育に関する職に10年以上あったこと(免許状の種類を問わない) |
「教育に関する職」には、教諭のほか、校長、教頭、養護教諭、常勤の講師、学校事務職員などが含まれます。
つまり②のルートを使えば、二種免許状のままでも校長の資格要件を満たせます。
副校長と教頭についても、同規則第23条によって同じ規定が準用されています。
さらに同規則第22条には特例があり、任命権者が「第20条の資格を有する者と同等の資質を有する」と認めた人物を、校長として任命・採用することもできます。
民間出身の校長が誕生するのは、この規定によるものです。
ただし、一種免許状を持っていれば5年で要件に届くのに対して、二種免許状のままでは10年かかります。
「なれない」のではなく「5年多くかかる」。
これが正確な理解です。
将来的に管理職を目指したいなら、この5年の差をどう見るかが判断材料になります。
とはいえ、いま急いで決める必要はありません。
教員として働きながら一種免許状に切り替える道が、きちんと用意されているからです。
二種免許状を持つ教員には、相当する一種免許状の授与を受けるよう努めることが、教育職員免許法第9条の2で定められています。
ここで大切なのは、これが「努力義務」だという点です。
切り替えなければ二種免許状が失効する、という制度ではありません。
二種免許状のまま定年まで働き続けることもできます。
有効期限についても心配は不要です。
かつて存在した教員免許更新制は、2022年7月1日に廃止されました。
現在有効な普通免許状に、期限はありません。
切り替えの方法は主に2つあります。
大学などで不足分の単位を修得する方法と、教員としての在職年数を積むことで必要単位数の軽減を受ける方法です。
在職年数によって必要な単位数がどこまで減るのか、いつ切り替えるのが得なのかについては、別記事で具体的に解説しています。
▶ 関連記事:【教員免許切り替え】小学校教諭二種免許状から一種免許状への切り替え方法&切り替え時期
ここはぼかしても仕方がないので、はっきり書きます。
二種免許状の45単位と一種免許状の67単位には、22単位の差があります。
これは事実です。
ただ、この22単位の中身を見ておく必要があります。
一種免許状で追加される単位の多くは、選択科目や、より広い範囲の教養科目です。
二種免許状の45単位には、教育原理、教育心理、各教科の指導法、学級経営、児童指導、教育実習といった、教員として働くために欠かせない中核部分がすべて含まれています。
つまり単位数の差は「学ぶ範囲の広さ」の差であって、「1コマあたりの密度」の差ではありません。
むしろ2年間で必要な内容を修めるぶん、日々の授業は濃くなります。
実際に学んでいる在校生は、こう話しています。
「2年間というのも、私はすごく魅力の一つだと思っています。短いといえば短いかもしれないけれど、内容はしっかりやってくれるし、むしろ4年制大学よりも深い内容をやってくれたりもします。短期間に凝縮されているので、その2年間で、4年間通った人たちに負けないくらい——いえ、それよりもっといいんじゃないかというくらい、専門的で充実したカリキュラムを組んでもらっています」
——小長谷さん(2024年度入学生・4年制大学を卒業後に入学)
▲ 【在校生インタビュー】~大学に負けない学びがヨコセンにはある~(2025年3月収録)
この発言で注目したいのは、「4年制大学と比べて遜色ない」ではなく「むしろ深い」と言っている点です。
しかも小長谷さんは、実際に4年制大学を卒業してから本校に入学しています。
両方を経験した人の比較だという点に、この言葉の重みがあります。
授業時間の総量では、2年間の課程が4年制大学に及ぶことはありません。
それでも本人がこう感じるのは、学ぶ対象が小学校教諭という一点に絞られているからでしょう。
同じことを、社会人から入学した在校生は指導する側の視点から語っています。
「実際の教育の現場で教えてきた先生方が、いまヨコセンの先生として教えています。授業の中でそうした経験を反映してくださっていて、児童たちに教える内容に興味を持ってもらうことは当然大事なんですけど、興味を持ったことに対して、どうやって自分ごととして考えられるかという大切さ。これはやっぱり現場を経験してきた先生じゃないと分からないことだと思います」
——保井さん(2024年度入学生・26歳・社会人経験あり)
単位数という数字だけを比べると、二種免許状は不利に見えます。
けれど実際に学んでいる人が問題にしていたのは単位数ではなく、「その1コマで何を学べるか」でした。
学校を選ぶときは、単位数よりもカリキュラムの中身と、教えている教員の経歴に目を向けてみてください。
7つの論点のうち、明確にデメリットと言えるのはここだけです。
二種免許状を取得できる指定教員養成機関や、課程認定を受けた短期大学は、全国的に見ても数が限られています。
一種免許状を取れる4年制大学は各地にありますが、二種免許状となると、住んでいる地域によっては通える範囲に1校もない、という事態が起こり得ます。
その場合は、転居するか、長距離通学を選ぶか、通信制で一種免許状を目指すかを判断することになります。
これは「気にしなくていい」と言える話ではありません。
学校を選ぶときは、次の4点を確かめておきましょう。
特に4点目は見落とされがちです。
免許状を取ることと、教員として採用されることは、別の話だからです。

不利にならないことは分かった。
では、積極的に選ぶ理由はあるのか。
ここからはメリットを見ていきます。
最大のメリットは、修学期間の短さです。
指定教員養成機関や短期大学では、2年間で必要な単位と基礎資格を満たせます。
この2年は、単に「早く卒業できる」という話ではありません。
仕事を辞めて学び直す人にとっては、収入が途切れる期間が2年短くなるということです。
社会人から本校に入学した在校生は、進路を決めた経緯をこう話しています。
「会社を辞めて教員免許を取ろうと思ったとき、最初に探して出てきたのは大学でした。どうしても4年間かかる。今から仕事を辞めて4年間通うのは大変だなと思って、改めて調べてみたらこの学校が出てきて、2年間で取れるというところで、この学校にたどり着きました」
「将来的にも早めに社会復帰したい、再び就職して働きたいという思いがあったので、2年間で現場に行けるというのはすごく魅力的に感じました」
——保井さん(2024年度入学生・26歳・社会人経験あり)
▲ 【在校生インタビュー】~社会人から小学校教諭を目指す~(2025年3月収録)
保井さんが最初に大学を探して、4年という期間で足踏みしたという流れは、社会人が教職を目指すときの典型といえます。
4年制大学しか見つからずに諦めてしまう人は、決して少なくありません。
論点1でも触れたとおり、2年早く働き始めるということは、その2年分の収入を先に得られるということでもあります。
横浜市の短期大学卒モデル(年収約472万円)で計算すると、2年間でおよそ940万円。
初任給の差が月24,000円であることを思い出すと、期間の差が持つ意味の大きさが見えてきます。
学費も、修学期間が短いぶん抑えられます。
本校の児童科初等課程の場合、2年間の納付金は216万円です(2027年度入学者・一括納付の場合。1年次124万円、2年次92万円)。
4年制大学と比べると、次のようになります。
| 進学先 | 期間 | 学費の目安 |
|---|---|---|
| 横浜高等教育専門学校 児童科初等課程 | 2年 | 216万円 |
| 国立大学 | 4年 | 約243万円 |
| 私立大学(平均) | 4年 | 約493万円 |
※国立大学は標準額(入学料282,000円+授業料535,800円×4年)で計算しています。
私立大学は文部科学省の2025年度調査による初年度納付金の平均額1,507,647円に、2年目以降3年分の授業料と施設設備費を加えた推計値です。
いずれも大学によって異なり、教育学部を含む文科系は平均より低い傾向があります。
ここも正直に書きます。
私立大学と比べれば約277万円の差がありますが、国立大学との差は約27万円しかありません。
「専門学校だから学費が圧倒的に安い」という説明は、国立大学を選択肢に入れられる方には当てはまらないのです。
学費だけで判断するなら、国立大学は十分に合理的な選択です。
二種免許状のルートが優れているのは、費用よりもむしろ期間のほうだと考えてください。
なお本校には、入学金の減免制度があります。
次のいずれかに該当する場合、8万円から32万円の減免を受けられます。
社会人経験者が対象に含まれているので、学び直しを考えている方にとっては実質的な負担軽減になります。
「これまでの職歴は、教員になったら無駄になるのではないか」。
転職を考えている方が、最も気にする点かもしれません。
そんなことはありません。
教員の初任給は、学歴だけでなく採用前の職歴も加味して決まります。
この仕組みを前歴換算といいます。
民間企業での勤務経験も、一定の割合で経験年数として算入されるのです。
横浜市が公表している初任給モデルを見ると、民間企業で10年間正規職員として働いた方が採用された場合、月381,000円(年収約594万円)となっています。
大学卒の新卒(月327,000円)を、月54,000円上回る金額です。
前の仕事で積み上げたものは、教員になっても給与という形で評価されます。
ここは安心してよい部分です。
前歴換算の詳しい計算方法や、経歴別の給与モデルについては、別記事で解説しています。
▶ 関連記事:小学校教員の給与は高い?低い?年収・初任給・手当を2026年最新データで解説
社会人から進学を考える方が口をそろえて心配するのが、「まわりが高校を出たばかりの若い人ばかりだったらどうしよう」という点です。
本校の場合、この心配は現実には当てはまりません。
在校生はこう話しています。
「高校までは同い年の人たちとずっと同じクラスメートだったんですけど、ヨコセンに入ったことで、上は50代、下は10代の中で過ごしています。いろんな人の価値観を知れたり、いろんな人と話したりするので、自分の人生の引き出しがたくさん増えます」
——畠田さん(2024年度入学生・社会人経験あり)
▲ 【在校生インタビュー】~ボランティアで子どもと関わりながら学ぶ~(2025年3月収録)
10代から50代までが同じ教室にいる環境は、専門学校でも珍しい部類に入ります。
年齢層の幅が広いということは、「自分だけが浮いている」という状況が起きにくいということでもあります。
畠田さんは、通信制大学と本校とで迷った末に通学を選んだ理由も語っています。
「僕も社会人経験をしているので、通信制の大学に行くかヨコセンに通うかで迷っていました。でも学校に通うことで、同じ道を目指す仲間がいるので『あいつに負けないように勉強しよう』と思えます。毎日学校に通うので先生にも相談しやすい。その2点が、本当に通ってよかったと思うところです」
ここから読み取れるのは、社会人にとっての通学の価値が「授業を受けられること」だけではない、という点です。
独学では続かないものを、環境が支えてくれる。
通信制で挫折した経験がある方ほど、この差は大きく効いてくるはずです。

二種免許状を取る道は、大きく分けて2つあります。
教育機関で単位を修得する方法と、国が実施する試験に合格する方法です。
もっとも一般的なルートです。
指定教員養成機関、または課程認定を受けた短期大学・大学で所定の単位を修得し、教育実習などの要件を満たしたうえで、都道府県教育委員会へ授与申請を行います。
学ぶ内容は、教育原理や教育心理といった基礎から始まり、国語・算数・理科・社会などの教科指導法、学級経営、児童指導、そして教育実習へと進んでいきます。
本校の授業では、知識を覚えるだけで終わらせません。
たとえば小学3年生の社会科であれば、地域の商業施設や工場、農業への取材・見学を、どう授業につなげるかを考えます。
「教わる側」から「教える側」に視点を移す訓練を、2年間かけて繰り返していく形です。
教育について体系的に学びたい方、教育実習や模擬授業を通して実践力を身につけたい方には、こちらの方法が向いています。
独立行政法人教職員支援機構(NITS)が実施する小学校教員資格認定試験に合格し、都道府県教育委員会へ申請する方法もあります。
教職課程を修了していない方にも、免許状取得の道を開く制度です。
試験は第1次と第2次に分かれ、教科と教職に関する知識だけでなく、指導案の作成や模擬授業を通して、教師としての資質・能力が問われます。
なお、この試験は2024年度から内容が一部変わりました。
すでに他校種の免許状をお持ちの方にとっては、負担が軽くなった形です。
ただし試験内容や受験資格、日程は年度によって変わる可能性があるため、受験する年度の実施要項を必ず確認してください。
教育を初めて学ぶ方が独学で合格を目指す場合、範囲の広さと実技対策の両方が壁になります。
基礎から順に学びたい方は、①の進学ルートのほうが着実です。

ここまでは「損をしないか」という視点で見てきました。
最後に、視点を変えてみます。
二種免許状という制度が、そもそも何のために用意されているのか、という話です。
二種免許状の存在は、教職への入口を広げています。
4年間という期間と費用が壁になって諦めていた人が、2年で現場に立てるようになるからです。
高校卒業後すぐに教師を目指す方はもちろん、大学卒業後に進路を変えたい方、社会人経験を積んでから教育に関わりたい方にも、現実的な選択肢になります。
本校で学ぶ在校生も、目的意識の高さを実感として語っています。
「この学校は目標が決まっていて、みんなゴールが決まっているので。同じ小学校の先生になりたいとか、目指したいとか、まだ確実に決まっていなくてもやってみたい、目指したいという心がある方がすごく多いと思います」
——小長谷さん(2024年度入学生・4年制大学を卒業後に入学)
全員が同じ方向を向いている環境は、それ自体が学習効率を押し上げます。
「なんとなく入った」人がいない教室では、質問の水準も、議論の深さも変わってくるからです。
民間企業や地域活動で培った経験は、学校教育に別の視点を持ち込みます。
仕事で身につけたコミュニケーション力、課題解決力、専門知識は、授業や学級経営の場面でそのまま生きてきます。
子どもたちにとっても、いろいろな経歴の教師と出会うことには意味があります。
社会や仕事への理解が広がりますし、「勉強が何につながるのか」という問いに、実感を持って答えられる大人が身近にいることになるからです。
論点1でも触れたとおり、社会人経験は前歴換算によって給与にも反映されます。
経験は、教育の場でも、待遇の面でも無駄になりません。
専門学校の授業は、学校現場で実際に起きることを想定して組み立てられています。
たとえば、廊下で子ども同士が取っ組み合いをしている場面。
ここで必要なのは、安全を確保することだけではありません。
双方の話を聞き、何が背景にあったのかを把握し、その後の関係づくりまで考える必要があります。
こうした具体的な事例をもとに学んでおくと、教員採用試験の面接や模擬授業はもちろん、着任後の現場でも判断の土台になります。
学びを教室の中だけで完結させない工夫もあります。
在校生は、学校が休みの期間の過ごし方をこう話しています。
「学校が休みのときは小学校のボランティアに行っているんですけど、そこで自分の課題が見つかったときに、先生にすぐ相談できます。教員採用試験の対策も、2月でいったん学期は終わるんですけど、学校がない時期も小論文を見て添削していただいたりします。毎日学校に通っているからこそできることかなと思います」
——畠田さん(2024年度入学生・社会人経験あり)
現場で疑問を持ち、学校に戻って相談し、また現場で試す。
この往復ができる環境は、通信制ではなかなか再現できません。
そして2年間を終えるころ、学生たちは自分の言葉で目指す教師像を語れるようになります。
「学校が楽しいと思えるような、全員が楽しめる学校を作りたいと思います」(畠田さん)
「クラスの中では自分が、親じゃないけど母親とか、友達とか、先生であり、そういう愛情を与えてあげられるような、学校では愛されていると感じてもらえるような環境作り、学級作りができる先生になりたいなと思います」(小長谷さん)
「僕が憧れた先生は、すごい愛情を持って接してくれた先生だと思うので、僕も愛情を持って児童たちに向き合える先生になりたいと思います」(保井さん)
3人が3人とも、「楽しい」「愛される」「愛情」という言葉を使っています。
免許状の種類は、この部分に一切影響しません。
どんな教師になるかを決めるのは、単位数ではなく本人です。

どちらが一律に優れている、ということはありません。
短期間で教職を目指したい方や、費用を抑えたい方には二種免許状が向いています。
4年かけて幅広く学びたい方には一種免許状が選択肢になります。
取得後の仕事内容に違いはないので、期間・費用・学びたい内容・将来のキャリアを並べて考えてみてください。
一種免許状や専修免許状と同じです。
授業、学級経営、児童指導、保護者対応、校務分掌のすべてを担当できます。
学級担任も、学年主任や教務主任も務められます。
「学士」(4年制大学の卒業)を基礎資格とする免許状です。
教職課程で67単位以上を修得する必要があります。
二種免許状との違いは、基礎資格と単位数の2点だけで、免許状としての効力に差はありません。
仕事内容と採用試験については、デメリットと言えるものはありません。
実質的なデメリットは、取得できる学校が少ないことです。
地域によっては通える範囲に該当校がない可能性があります。
また、高校卒業後に取得した場合は初任給が大学卒より月24,000円ほど低くなりますが、これは免許状の種類ではなく学歴区分による差です。
基礎資格と最低修得単位数が違います。
二種は短期大学士(指定教員養成機関の修了を含む)で45単位、一種は学士で67単位です。
修学期間はそれぞれ2年と4年が目安になります。
仕事内容や採用試験での扱いは変わりません。
2つあります。
指定教員養成機関や課程認定を受けた短期大学・大学で単位を修得する方法と、小学校教員資格認定試験に合格する方法です。
前者は2年間で体系的に学べるため、教育を初めて学ぶ方に向いています。
ありません。
かつての教員免許更新制は2022年7月1日に廃止されました。
ただし、廃止前にすでに失効していた免許状が自動的に有効へ戻るわけではなく、再授与の申請が必要になる場合があります。
該当しそうな方は、都道府県教育委員会へ確認してください。
課程認定を受けた4年制大学で教職課程を履修し、67単位以上を修得したうえで卒業(学士の取得)すると、申請できます。
二種免許状を取得後に、在職年数や追加の単位修得によって一種免許状へ切り替える方法もあります。
小学校教諭免許状を持っていることが前提になります。
そのうえで、公立学校の正規教員を目指すなら各自治体の教員採用試験、私立学校なら各学校の採用選考を受けることになります。
臨時的任用教員や非常勤講師など、採用の形は働き方によっても異なります。
できます。
指定教員養成機関や短期大学で学ぶ方法と、教員資格認定試験に合格する方法のどちらも利用できます。
社会人経験は前歴換算によって採用時の給与に反映されるため、これまでのキャリアが無駄になることもありません。
基礎から実践的に学びたい方は、教育実習と採用試験対策の支援がある教育機関を選ぶと安心です。

この記事で確認してきたことを整理します。
7つの論点のうち、明確なデメリットと言えるのは最後の1つだけでした。
「二種免許状は一種の下位互換だ」という理解は、制度の実態とずれています。
二種免許状は、教職への入口を広げるために設計された制度です。
4年間の時間と費用を用意できる方には一種免許状という道があり、そうでない方にも道が残されている。
そういう仕組みだと考えてください。
大切なのは、どちらの免許状を選ぶかではなく、免許状を取ったあとに教師として何ができるかです。
単位数を22多く積んだ人が、必ずしも良い教師になるわけではありません。
子どもの前に立ったとき、何を見て、どう判断できるか。
そこで問われるのは、学んだ量よりも学び方です。
二種免許状を選ぶかどうか迷っている方は、期間・費用・通える範囲という3つの条件を並べたうえで、「自分はいつ教壇に立ちたいのか」を基準に考えてみてください。
答えが「できるだけ早く」であれば、二種免許状は十分に合理的な選択です。

本校は、全国で唯一の2年制の小学校教諭養成専門学校です。
児童科初等課程を卒業すると、小学校教諭二種免許状を取得できます。
この記事で見てきた内容を、本校に当てはめるとこうなります。
学費や通学、仕事との両立、入学後の年齢層。
気になることがあれば、オープンキャンパスで直接お尋ねください。
在校生とも話せますので、この記事に載せた声が本当かどうか、ご自身で確かめていただけます。
本記事の数値と制度の説明は、次の資料に基づいています(2026年8月時点)。
免許状の制度
給与・初任給
学費
※給与・学費の金額は、年度の改定により変わることがあります。
最新の金額は各自治体・各学校の公表資料でご確認ください。