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2023年8月15日更新
小学校教諭、養護教諭などの教師になりたいと考えていても、自分は偏差値が低いから人に勉強を教えるのは難しいと感じている人は多いのではないでしょうか。確かに教育の仕事は誰でもできるものではありません。しかし、「私は偏差値70です、なので基礎学力は完璧です」という人が向いている仕事とも違います。教育はその子の個性や適性など、資質や人格などのパーソナリティを良い方向に導く仕事です。そのため、勉強ができるできないだけで教員が向き不向きと括ることはできません。今回は勉強が苦手でも教師になることができるのか、横浜高等教育専門学校(ヨコセン)で養成している小学校教諭、養護教諭を例に解説したいと思います。
目次
教師になる上で大切なことは学力だけではありません。学校の先生として子どもたちの成長を支えていくためには、教師自身の人間性や教育に対する熱意が必要です。
「勉強ができる」ということは教師としての最低限のラインをクリアしていれば問題ありません。実際に教員採用試験の一次試験において、教養(学力)面で問われているのは高校受験レベルの内容が大半です。また、一次試験の倍率は1~2倍(小学校教諭の場合)という自治体が多く、2次試験で審査する人間性や指導力、熱意を重視して教員の採用をしている傾向があります。
横浜市や神奈川県では以下のような教師を求めていると提示しています。
<横浜市>
<神奈川県>
引用元)
横浜市と神奈川県で少し文章は違いますが、根本としては「熱意」「人間力」「学び続ける力」を教師に求めています。
熱意・人間力・学び続ける力≠学力(偏差値)です。多様な子どもたちが通っている学校の中では全員に同じ支援をしていくのでなく、個に合わせた支援が必要です。そこには「この子にはどんな方法が向いているのかな」「どんな機会を提供すべきだろうか」など、教師が一人の子どもと真剣に向き合うことが求められ、自分の学力のみで解決できる問題だけがあるわけではないのです。
<養護教諭の場合>
養護教諭は、子どもたちの心と体の健康を支援する仕事です。クラスで授業を行うことは少ないですが保健室での悩み相談を受けたり病気やけがの手当てをしたりします。悩みや不安を抱える子どもと関わる際は、子どもを理解し受け入れるなどのカウンセリングの力や教師自身の人間性が重要になります。
<小学校教諭の場合>
小学校教諭は学級担任として1日中、子どもたちと関わるため、授業時間以外でも子どもたちの思いや願いをくみ取り、一人ひとりの成長をサポートします。一つの関わり方や指導方法が正解なのではなく、一人ひとりに合わせた対応が求められるので、教師は自分の仕事に対する熱意や一人の大人としての人間力が必要となります。
例えば、小学校の事例でこんなことがありました。
—————————————-
問:次の数字を漢字で書きなさい。
100
256
3827
子どもの解答
百一
二百五十七
三千八百二十八
—————————————-
これを出題した教員の意図としては、百、二百五十六、三千八百二十七と書いてもらうことだった思います。しかし、「次の数字」を子どもが違う視点から捉えたことで、上記のような解答が生まれました。正解が一つと決まっていれば×になってしまっていた答えかもしれませんが、この先生は、子どもの思考を読み取り〇としました。このように「なんで、この子はこんな解答をしたんだろう?」と子どもと向き合う姿勢が、教員に求められます。
教師への熱意あり
教師に求められるのは「熱意・人間力・学び続ける力」ですが、勉強が全くできない人が教員になることはできません。やはり学校の先生として子どもたちに授業する際、最低限必要な学力はあります。それが中学までの学習をしっかり理解しているのかということです。
公立学校の小学校教諭・養護教諭を採用する教員採用試験の一般教養試験では中学までの内容を理解していれば正解することができる問題が数多くあります。これは教員を採用する側からの「最低限ここまでは理解しておいてほしい」というメッセージです。この記事の読者は高校生以上の方が大半かと思います。なので中学の勉強は既知の内容が多いと思います。一度勉強したことは今、身になっていなくても、取り掛かりやすく理解もしやすくなっているので、勉強は苦手だけど教員を目指したいという方は、自分でできる内容まで戻って小学校・中学校の復習をしてみましょう。
教員採用試験は多くの自治体で一次試験と二次試験に分かれています。一次試験では主に筆記試験で学力を問われ、二次試験で人間性や授業などの実践力を問われます。一次試験については上記の中学までの勉強を復習してください。二次試験で問われる人間性や実践力は一朝一夕で身に付くものではありません。長い期間をかけて自分を磨く必要があります。
横浜高等教育専門学校では、入学時に新入生にこのように伝えます。「みなさんは、実習などで教育現場に行けば、子どもたちからは先生と呼ばれる存在です。しかし先生と呼ばれるからと言って急に今日から先生になれるわけではありません。子どもたちの先生になるには人間性、実践力を備えていなければなりません。この2年間、学生という身分ですが、それに甘えず『自分は教師だ』と意識して日々の生活を送り、真の教師への準備期間としてください。」
教員・社会人としてのモラル、コミュニケーション能力、礼儀作法、対人関係能力など勉強以外の部分で人間性を問われることは多くあります。教師になりたいと考えている人は、日々の生活態度などを自分が教師だったらどうだろう」と考えるだけで行動が変わって、教師としての人間性を高めることができます。
教員採用試験は偏差値の高い人でも必ず一回で合格できるわけではありません。しかし、教員免許状を持っていれば、教員として臨時的任用職員(臨任)・非常勤講師(非常勤)として学校現場で働くことが働くことができます。ヨコセンの初等課程、養護科の就職状況では下図のようになっています。
<初等課程就職状況>
<養護科就職状況>
現役で合格を逃してしまった多くの卒業生が臨任・非常勤で学校現場に就職しています。現場を臨任、非常勤として経験すると、「教師ってやりがいあるな」「続けていきたい職業だな」ということを実感して、改めて教員採用試験に挑戦しようという意欲も湧いていきます。
また、臨任として現場経験を積むと教員としての力が付くだけではなく、教員採用試験でも教職経験者枠での受験が可能となり、一次試験の課題が実務で行う指導案作成などになるので筆記試験対策が不要になり、勉強が苦手な方には有利です。
熱意ももって臨任、非常勤を続けているヨコセンの学生の場合は、小学校教諭の場合で1~2年、養護科は1~4年程度の臨任、非常勤の経験を積んで教員採用試験に合格する人も多いので、教員を目指したい人は、多少の時間がかかってもすぐに諦めず、熱意をもって続けることが大切です。
就職は学校現場
「勉強が苦手」は、多くの子どもたちにも共通する問題です。教師自身が「勉強が苦手」という経験をしていると、子どもの気持ちにも共感しやすくなります。自分の経験を踏まえてどう支援すると理解が深まるのか、楽しくなるのかなどを考えやすくなるので「勉強が苦手」な子どもの視点が自然と分かり、下記のような強みとなります。
学校現場に行くと必ず勉強が苦手な子どもと接することになります。そういう子どもと関わる際に「自分も勉強が苦手だった」ということが大きな経験になります。子どもに寄り添い苦手な勉強でも一緒に楽しさを見つけ、取り組みやすくサポートをすることがあなたの教師としての強みになります。
勉強の中にはいくつかつまずきやすいポイントがあります。自分がつまずいたポイントや理解が難しかったところは、子どもたちも同じようになる可能性が高いです。指導する側としてどんな支援をすれば、子どもたちがスムーズに勉強に取り組めるのか考え、実践できるのか考える大きなヒントになります。
勉強が苦手だったからこそ、子どもの学力以外の良さも見つけやすくなると思います。今は非認知能力といったテストの点数では測れない意欲、思考力、判断力、表現力、コミュニケーション能力などの力を身につけることが望まれています。教員には豊かな人間性が求められることも書きましたが、これは子どもも同様です。勉強以外に大切なことが数多くあると理解しておくことで学力に捉われない子どもの見方ができます。
小学校教諭や養護教諭といった教員になるためには、働きたい校種の教員免許状を取得することが必要です。小学校で先生として働きたいのであれば、小学校教諭免許状、小中高などの保健室の働きたいのであれば養護教諭免許状と希望する教員によって必要とされる免許状が異なります。
教員免許状は大学・短期大学・専門学校・教員資格認定試験などで取得することができます。最もメジャーなのが大学で取得する方法です。小学校教諭免許状は教育学部系の学科で取得できることが多く、中学、高校の免許状は各教科について専門的な知識が要求されるため、その科目に適した学部の学科で取得できることが多いです。(例:文学部で国語科の免許状、社会学部で社会科の免許状など)
学校の数は多くないですが、専門学校・短期大学でも教員免許状を取得することができます。専門学校に関しては専門学校のみのカリキュラムで教員免許状を取得できる学校は少なく、多くの専門学校が短期大学や大学にも籍を置く併修制度というものを使って免許を取得できるようになっています。その中でも横浜高等教育専門学校は専門学校のみのカリキュラム(併修制度なし)で小学校教諭二種免許状、養護教諭二種免許状を2年間で取得できる学科をもつ唯一の学校となっています。
以上のように、教師になるための条件としてはまず、希望する校種の教員免許状を取得することです。また、教員免許状を取得できる大学の偏差値もピンキリです。勉強がどうしても苦手で偏差値を上げることができなくとも自分の学力に合った大学があると思うので、探してみてください。大学よりも教育現場の実践的な内容(授業の仕方やカウンセリング方法など)を学びたい人は横浜高等教育専門学校のような専門学校も視野に入れてみると進路の選択肢が増えます。
教育委員会のホームページに教員免許状を取得できる大学や専門学校・短期大学が掲載されているので自分の住んでいる地域の学校を調べてみましょう。
現役合格した初等課程のAさん 高校偏差値43(みんなの学校情報参照)
Aさんはとても教員への熱意をもって本校に入学しました。2年間でしっかり学んで小学校教諭免許状を取得するだけではなく、教員採用試験にも現役合格すると強い意志をもっていました。横浜高等教育専門学校には高校偏差値50以上から入学してくる人や高学歴の大学卒、社会人の人もいるので周りと比較すると基礎学力に差はあったのですが、1年次から実施される教員採用試験対策の授業に毎回参加し、苦手であった数学や理科の理系科目の基礎を徹底的に勉強したのと過去問の傾向を調べ、自分にできる問題とできない問題をしっかり見極めて対策をしていました。友達同士で放課後残って勉強をしたことや家での自習の効果もあり、2年生に進級したときには一次試験に求められる学力にかなり近づいていました。
教員採用試験は一次試験の試験だけではなく、二次試験もあるので、その対策も必要になってくるのですが、ヨコセンの通常授業や教員採用試験対策授業の中で模擬授業やロールプレイなど実践的なことを学ぶことができるので、真面目に授業を受け、積極的に参加していたAさんは、教員採用試験までに自然と力が身に付いていました。
試験本番では、一次試験を無事突破し、さらに二次試験まで進めたことで、学校で学んだ模擬授業を堂々と行うことで合格を手にしました。
Aさんは、無事に現役合格を果たしましたが、かなりの努力を行った結果です。勉強に自信のない人が横浜高等教育専門学校に入って、学校の授業だけを勉強して、容易に教員採用試験に合格するほど簡単ではありません。ただ、目標を明確にし、努力し続けることで教員採用試験に合格できることも事実です。教師になりたい人は、学力を理由に諦めるのではなく、強い熱意をもって横浜高等教育専門学校や教員免許状が取得できる大学などで学んでください。強い想いがあれば、自分の望む未来に近づけると思います。
>>横浜高等教育専門学校から小学校教諭・養護教諭になった卒業生
以上、【教師になるには】偏差値が高くないと小学校教諭・養護教諭になれないのかについて紹介しました。最近は教員不足が問題になることもありますが、誰でも教師になれるわけではありません。教育の専門家として、しっかり専門学校や大学で学び、知識やスキルを習得する必要があります。勉強が苦手でも教師を目指したい方は、専門学校や大学入学前に基礎となる勉強(国語、数学、社会、理科、英語)を自分の分かる範囲まで戻って復習してみてください。また、勉強だけに捉われず、豊かな人間性を育むことも大切です。色々な経験や人との関わりをもって教師になったときの引き出しを増やしておくと良いと思います。
横浜高等教育専門学校は2年間で養護教諭・小学校教諭・幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得できる学校です。オープンキャンパスでは学校概要や入試について説明する「学校説明会」、授業を体験できる「体験入学」、保育の実技体験ができる「保育フェスタ」など様々なイベントを実施しています。オープンキャンパスには、高校生3年生はもちろんですが高校1、2年生、大学生・社会人もたくさん参加しています。保育や教育の仕事をしたいと考えている人はぜひご参加ください。ホームページには学生インタビューも掲載しているので参考にしてください。また、養護教諭や小学校教諭、保育士・幼稚園教諭について詳しく知りたい方は、一度ヨコセンのホームページをご覧ください。
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