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最終更新日:2024年5月30日
養護教諭(保健室の先生)希望者から「養護教諭の資格と看護師免許を両方取得するメリットはありますか?」、「看護師免許をもっていないと養護教諭になることはできませんか?」という質問を受けます。養護教諭の資格は養護教諭免許状であり、保健室で教育の仕事に携わるために必要です。養護教諭は教育の仕事、看護師は医療の仕事であり、仕事内容には大きな違いがあるのですが、養護教諭免許状を取得できる大学の学部が看護学部や保健医療学部というような名称であり、養護教諭免許状は看護師免許と一緒に取得する免許というイメージがあるかもしれません。今回は養護教諭の資格を取得してさらに看護師免許を取得するメリット・デメリットについて紹介します。
目次
養護教諭(保健室の先生)になるために必要な資格は「養護教諭免許状」 です。養護教諭として働くために看護師免許は必要ありません。養護教諭免許状は各校種・教科で存在する教員免許状の一種であり、その種類は「専修免許状」、「一種免許状」、「二種免許状」に分かれています。基本的にはこのいずれかの免許を所持している人が、学校現場の保健室で養護教諭として勤務しています。
養護教諭の仕事は、学校の保健室の先生として児童生徒の心と体の健康を守り、生き生きと生活できるように支援することです。主な仕事は下記のようなことがあります。
クラス担任のように毎回学級経営や授業を行うわけではありませんが、体や心にスポットを当てた教育の視点から子どもたちと関わり成長を保健室からサポートします。勤務する校種によって子どもが保健室に来る理由は特徴があり、小学校では子どもが活発に遊ぶためケガの手当て、中学・高校では人との関わりが多くなることで心の悩みや人間関係の相談が多くなります。
看護師の仕事は、医師の診断に基づいて、診療や治療の補助を通してケガや病気の患者に対して医療的なケア行います。主な仕事は下記のようなことがあります。
看護師は子どもに限らず老若男女全ての年齢の人を対象に仕事をします。また、働く場所も病院に限らず、保育園などの福祉施設や企業など幅広くなっています。看護師はケガや病気を治すという視点から色々な人を看護しています。
養護教諭は保健に関する専門的な教員として下記のようなことが求められます。
子どもや学校の健康管理という観点から養護教諭は学校にいなくてはならない存在です。看護師のように医療行為をすることはできませんが、適切な応急処置やケアなどで必要に応じて外部機関と連携し、学校と外部機関のつなぎ役を担っています。
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看護の知識をもっていることで保健室にケガや病気で来る児童生徒に、より素早く適切な対応ができたり、看護や医療に対する知識をもっていない他の先生たちに安心感を与えたりできます。また、保健室の先生にお世話になったことをきっかけに養護教諭を目指している人でも進路変更をして看護師を目指すことができるので就職の選択肢が増えます。私学の学校の中には、看護師免許を持っていると採用が有利になるところもあります。特別支援学校では、医療的ケアを必要とする児童生徒の安全性を保障するために看護師が配置されています。横浜高等教育専門学校の卒業生でも養護教諭と看護師の免許を両方所持していて、2役を担っていたという事例もあるので、看護師免許を取得することは養護教諭としてプラス要因になります。
看護師は人の命に直接かかわる場面が多いので免許取得のために実習や授業の負担は大きくなります。血が極度に苦手だったり、人の介助が得意でない人も一定数いたりするので、看護師への熱意がしっかりないと厳しい学生時代になるかもしれません。また、養護教諭免許だけ取得できる大学は少なく、看護や福祉などその学部の勉強をメインで行うことが多く、養護教諭を第一希望としている人は学びたいこととギャップを感じるかもしれません。
「1、養護教諭(保健室の先生)に必要な資格と養護教諭の仕事」で紹介した通り、養護教諭の資格を得るには養護教諭免許状の二種・一種・専修のいずれかを取得する必要があり、看護師免許は必要ではありません。下記の表は養護教諭免許状を取得できる教育機関です。
教育機関 | 専門学校・短期大学 | 大学 | 大学院 |
種類 | 二種免許状 | 一種免許状 | 専修免許状 |
修学期間 | 2年 | 4年 | 2年 |
学費の目安 | 220万円前後 | 450~680万円程度 | 130万円程度(国立の場合) |
学ぶ教育機関によって学費が大きく異なります。専門学校(横浜高等教育専門学校のみ)や短期大学では220万円前後で学ぶことができますが、学校の数がかなり少なくなっています。社会人や早めに就職したい高校生にとっては短期間で学費を抑えて養護教諭免許状を取得できるので、検討してみると良いです。大学については学部によって学費にバラつきがあります。看護師免許の取得を目指す看護学部系では、学費が高くなる傾向があります。しかし、福祉・心理・家政などの学部で養護教諭免許を取得できる大学は学費が安い傾向があるので、看護師免許を取得するかしないかで大学選びは変わると思います。専修免許状が取得できる大学院では、国立が多く修士課程まで学ぶことで免許を得ることができます。
保健師免許を所持している人は、大学・短大・専門学校に再入学しなくとも、保健師免許を基礎資格として養護教諭二種免許状を取得することが可能です。教員免許状は各都道府県の教育委員会で出しているので、保健師免許と必要書類の提出で申請できます。ただし、教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目で下記の科目を履修していることが必要です。
<教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目>
保健師免許から養護教諭二種免許状を取得したい方は教育委員会のホームページを調べてみてください。
参照)(授与B)保健師免許を基礎資格として養護教諭二種免許状を取得する場合
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看護師免許所持者が養護教諭免許状を取得して教員採用試験を受験する場合、自治体によっては加点や免除といった優遇措置を受けることができます。全ての自治体で優遇されるわけではありませんが、しっかり受験自治体を選定することで他の受験者より有利に試験を受けることができます。優遇措置がある自治体を下記に表にしますので、参考にしてください。(優遇措置がある全て自治体が掲載しているわけではありません。年度によっても異なる場合があります。)
<看護師免許の優遇措置がある自治体>
自治体 | 優遇措置 |
埼玉県 | 高校教諭(福祉or看護)、特別支援教員(自立活動)の選考を受験可能(基本5年以上の経験必要) |
大阪府 | 1次選考で10点加点 |
北海道・札幌市 | 高等学校教諭(看護・福祉)の受験資格あり(経験3~5年以上) |
福岡県 | 1次選考で15点加点 |
このように加点や養護教諭以外への受験が可能になることがあるので、看護師免許を取得することは教員採用試験においても有利に働くこと多いです。また、ほとんどの自治体で「社会人枠選考」があるので、一般選考で現役が学生と学力勝負するよりも社会人としての経験を評価してもらう選考方法の方が向いている方もいるかもしれません。看護師免許を所持してる方の養護教諭への道は、他の方よりも開かれているのは間違いありません。
専門学校の履修で養護教諭免許状を取得できるのは、横浜高等教育専門学校(ヨコセン)のみですが、ヨコセンの場合は、卒業条件が免許を取得することなので、卒業生は必ず養護教諭二種免許状を所持します。
大学の場合は、養護教諭一種免許状を取得しますが、看護学部や保健医療学部というような名称の学部で看護や福祉の履修を行う中で選択的に養護教諭の教職科目を履修する大学が多くなっています。そのため学部によっては、養護教諭免許が取得できる対象の学部に入学しても、その中でさらに学内選考があり、それを通過した人が養護教諭の科目を履修するというシステムを取っているところもあります。
ヨコセンのように卒業することが免許取得の条件や大学のように学内で選考があるなど養護教諭免許状取得の方法は学校ごとにシステムが違うので希望する学校があれば、どのような手順で取得するのか確認してください。
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養護教諭は、児童生徒の健康の保持増進に関わる仕事です。今、養護教諭には教師としての教育力、専門的な知識と技術を活用した健康教育力などが求められています。学校の中で看護師免許をもつ養護教諭となれば、看護に関する知識・技術が保証され、より自信をもって仕事ができると思います。
具体的には、看護学生時代の臨床実習や看護師としての現場経験の中で、数多くの事例に関わっています。医療現場や保健所等の体制や構造も良く理解していますので、幅広く連携を図ることができます。また、近年、特別な支援が必要な児童生徒が増えている背景から、看護師免許の取得を考えている方はぜひ頑張ってみてください。その努力は養護教諭になった際に必ず子どもたちに還元することができるはずです。
ただ、養護教諭の本質は子どもが好きで心やからだの面から成長を支えたいということにあります。そのため看護師免許を取得しないと選択された方も心配はありません。保健室で行う看護や保健の知識・技術は大学や専門学校など養成校の授業等でしっかり学ぶことができますし、養護教諭としての経験を積む中で高めていけます。まず、養護教諭を目指すときに自身に問いてほしいのは、「子どもとかかわることが好きなのか?」、「コミュニケーションを上手に図りつつ学校内部・外部と連携できるのか?」、「常に変化する子ども・時代に合わせて、学ぶ意欲があるのか?」です。これらをしっかり考えた上で養護教諭を目指したいと思うのであれば、素質は十分にあります。免許の取り方、もっている知識や技術は人それぞれですが、自分が目指したいと思う養護教諭に近づけるように、進路選択をしてみてください。
Q、保健室の先生になるにはどうしたらいいの
A、
学校で働く保健室の先生は「養護教諭」と呼ばれる職業です。養護教諭になるには、養護教諭免許状を大学や短期大学、専門学校などで取得することが必要です。また保健師免許所持者は、教育委員会への申請で取得できます(条件あり)。
Q、看護師と養護教諭どちらの給料が高いですか?
A、
働く場所や働き方にもよりますが、教員(養護教諭)の方が給料は高くなりやすいです。令和4年賃金構造基本統計調査によれば、看護師の年収約508万円(年齢40.7)、小学校中学校教員(養護教諭含む)の年収約739万円(年齢42.5)となっています。
Q、養護教諭になるには何学部?
A、
養護教諭になるには、教育学部や看護学部、保健学部、医学部等で学び「養護教諭免許状」を取得する必要があります。4年制の教育学部養護教育専攻や2年制の横浜高等教育専門学校なら、希望者全員、養護教諭免許状を取得することができます。看護大学や看護専門学校に進学することも可能ですが、養護教諭免許状を取得するコースが選択制になっている可能性もあります。
Q、保健師と養護教諭の違いは?
A、
保健師は、人が健康な生活を送れるように病気の予防や健康管理の指導を行います。保健師として働くためには、「看護師免許」と「保健師免許」の2つの国家資格の取得が必要です。養護教諭はいわゆる「保健室の先生」で、学校内でのけがや応急処置、児童生徒への保健指導、健康相談などを行います。養護教諭として働くためには「養護教諭免許状」が必要です。
Q、養護教諭 何年でなれる?
A、
養護教諭になる最も一般的な方法は4年制大学で養護教諭1種免許状を取得することです。その他に2年制の短大、専門学校(横浜高等教育専門学校)で2種免許状を取得する方法や通信制大学で取得する方法もあります。免許状は1種、2種とありますが、どの免許状を所持していても養護教諭としての仕事内容に差や制限はありません。
Q、養護教諭と看護師の違いは?
A、
養護教諭の仕事は保健室で児童生徒の心と体の健康を守り、生き生きと生活できるように支援する「教育」です。看護師は、病院などで患者の治療、医師の診療補助などを行う「医療」の仕事をしています。
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以上、【資格・免許】養護教諭になるために看護師免許取得するメリットとデメリットについて紹介しました。最後にも書きましたが、養護教諭の本質は、子どもの心とからだを育てることです。看護師免許を取得することで知識や技術面でのメリットはありますが、それ相応の努力が必要です。自分が目指す養護教諭像を考え、どんなことを学べば、理想に近づけるか考え進路選択をしてみてください。実際に横浜高等教育専門学校にも毎年、看護師を辞めて入学する人や看護学部のある大学と悩んだ末に養護教諭を専科で学べることに魅力を感じて入学してくれる高校生が数多くいます。ヨコセンの在校生がどんな決断をして養護教諭を目指すようになったのか知りたい方はぜひオープンキャンパスで学生に聞いてみてください。
横浜高等教育専門学校は実践的なカリキュラムで養護教諭・小学校教諭・幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得できる学校です。オープンキャンパスでは学校概要や入試について説明する「学校説明会」、授業を体験できる「体験入学」、保育の実技体験ができる「保育フェスタ」など様々なイベントを実施しています。また遠方の方向けに横浜高等教育専門学校周辺で一人暮らしするための学生マンションを内見できる特別企画などもあります。オープンキャンパスには、高校生3年生はもちろんですが高校1、2年生、大学生・社会人もたくさん参加しています。保育や教育の仕事をしたいと考えている人はぜひご参加ください。ホームページには学生インタビューも掲載しているので参考にしてください。また、養護教諭や小学校教諭、保育士・幼稚園教諭について詳しく知りたい方は、一度ヨコセンのホームページをご覧ください。
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