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2024年8月29日
【看護師から養護教諭へ転職】看護師としてのスキルを生かす、子どもと関わる仕事

看護師の方々は医療現場で患者さんのケアに尽力しています。しかし、そのスキルと経験は小学校の保健室などの教育現場でも十分に活かせるのを知っていますか。看護師の資格を持った方が学校の養護教諭として働くことで、医療に関する専門知識で子どもたちの健康と安全を守る重要な役割を担うことができるのです。

 

看護師の離職率は2021年で11.6%と全職種平均の11.1%をやや上回ります。看護師の仕事は好きだけど、もう少し子どもと関わる仕事がしたい、ワークライフバランスを充実させたいなどの理由で転職を考える人も多くいます。

 

本記事では、看護師資格を持つ方が養護教諭へ転職する魅力と利点について詳しく紹介します。養護教諭の仕事内容や必要な資格、専門学校でのキャリア形成の方法など、養護教諭に転職を検討する上で必要となる情報をお伝えします。

 

 

養護教諭の仕事内容

養護教諭は学校の保健室の先生

養護教諭とは、学校(幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校)の保健室で働く先生のことです。

 

養護教諭の主な仕事内容は、子どもたちの健康管理と安全の確保です。具体的には、以下のようなことが挙げられます。

  1. 日々の健康観察
  2. 保健指導
  3. 応急処置
  4. アレルギー対応
  5. 健康相談への対応
  6. 健康診断の補助
  7. 保健室の運営管理

 

横浜高等教育専門学校にも毎年多くの看護師経験者が養護教諭を目指して養護科に入学しており、看護師から養護教諭への転職は珍しいことではありません。

 

看護師と養護教諭の違い

看護師との違いは、医療行為そのものは行わず、教育者として学校生活全般における子どもの心と身体の健康面のサポートに重点が置かれていることです。子どもたちの心身の健康を守り、安心して学校生活を送れるよう支援することが養護教諭の大切な役割です。

 

また、学校が開校している時間が勤務時間になるので、夜勤の仕事はなくなります。子ども達が登校している前後までの時間が勤務時間となるので、自身にお子さんがいる方や家族との時間を大切にしたい方は都合が付けやすくなります。土日祝日も基本休みとなり、ワークライフバランスの充実度は高くなる傾向があります。

 

 

看護師資格所持者が養護教諭に転職するメリット

看護師資格を持つ方が養護教諭へ転職する際の主なメリットは以下の通りです。

  1. キャリアの幅を広げられる
  2. 子どもたちと関わる仕事ができる
  3. ワークライフバランスの改善
  4. 看護スキルの活用
  5. 安定的な収入を得られる

 

キャリアの幅を広げられる

看護師としての経験を活かしつつ、教育現場での新しい挑戦ができます。看護師として当たり前に持っていた知識や看護技術は教育現場で大変貴重な能力です。学校現場で起こる、不慮の事故や緊急時の冷静な対応などは看護師として培ってきた知識・スキルが十分に役立ちます。学校の先生たちは教育のプロですが医療のプロではありません。これまで多くの看護師の一人として働いてきた方でも、学校現場ではたった一人医療従事経験です。看護師として仕事をしてきた経験は学校現場で重宝され、あなただからことできる子ども達への関わりを養護教諭してすることができます。

 

子どもたちと関わる仕事ができる

養護教諭は子どもの成長・変化たくさん感じることができる仕事です。ケガで元気がなかった子どもがふと廊下ですれ違ったときに「先生元気になったよ」と声をかけてくれる。看護師ではケガや病気の人しか関わることができませんが、養護教諭は子どもが元気になった後にも様々な形で関わることができます。そこで気づく子ども成長や変化は養護教諭ならではの喜びです。直接、子どもの心と身体の成長に関わることができるので、看護師とは違ったの仕事のやりがいを感じるはずです。

 

 ワークライフバランスの改善

学校現場の勤務形態は、夜勤や交代制勤務がない分、ワークライフバランスを取りやすい環境です。特に養護教諭は担任を持つことがないため、自分の裁量で仕事を進めやすいです。公立学校であれば、基本的に土日祝日は休みとなるので、子育て世代の方でも家族と予定を合わせたり、自分の時間を計画的に取ったりすることができます。

 

看護スキルの活用

学校現場では、ケガや悩みなどを抱えた子供たちがたくさんいます。特にケガに関しては擦り傷から骨折など様々ケースがあり、一つ一つに適切な救急処置が求められます。その際に医療現場で培ったスキル大きく役立ちます。また、健康相談対応なども安心感を与える対応や話し方など看護師としての知識とスキルを活かすことができます。看護技術やカウンセリング方法などは、養護教諭免許取得の過程で学びますが、最初から現場で生かせるスキルがあることは転職の際に有利に働きます。

 

安定的な収入を得られる

公立学校で働く場合の多くは、教員採用試験に合格して公務員の立場で勤務することになり、安定した給与を得ることができます。養護教諭の平均年収は630万円程度であり、夜勤等を行わなくても毎月の収入が安定することが養護教諭の良いところです。

 

 

 

 

養護教諭になるための条件と方法

養護教諭になるには、養護教諭免許状の取得が必須です。具体的には、次のような条件が必要となります。

 

必要な資格

養護教諭免許状(専修・一種・二種)のいずれか

 

免許状を取得するための方法

  1. 養護教諭養成校へ入学
  2. 保健師免許所持者は必要な単位申請
 
【養護教諭養成校へ入学】

養護教諭免許状を取得できる養成機関は大学、短期大学、専門学校です。養護教諭の免許状を取得するためには、養成校で教職課程の科目履修と免許状の種類に応じた基礎資格が必要になります。それぞれの学校で、取得できる免許状は下記の表を参考にしてください。

 

<学校によって取得できる免許状>

学校 専門学校・短期大学 大学 大学院
種類 二種免許状 一種免許状 専修免許状
必要な基礎資格 専門士・短期大学士 学士 修士

 

養護教諭免許状の取得には基礎資格が必要です。看護師免許もっているほとんどの方は上記のいずれかを所持していると思いますが、どれも所持していない場合でも養成校を卒業すれば取得できますので、心配はありません。

 

養護教諭免許状の科目履修をできる大学は全国に141校、短期大学は全国に10校、専門学校は全国に1校(横浜高等教育専門学校のみ)となっています。下記から養護教諭免許状を取得できる大学と短期大学を確認できるので参考にして下さい。

 

横浜高等教育専門学校では、唯一の専門学校ということで看護師経験者の他、大学新卒、社会人経験者など様々な年齢の学生が毎年入学しています。大学と異なり異年齢の中で学ぶので年齢を気にすることなく免許取得を目指すことができます。

 

参考)養護教諭の免許を取得することのできる大学

 

【保健師免許所持者は必要な単位申請】

保健師免許を所持している人は、それを基礎資格として養護教諭二種免許状を申請のみで取得することが可能です。申請には教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目で、下記の科目を履修していることが必要ですが、保健師免許を取得する課程で単位取得している可能性があるので確認してみましょう。保健師免許からの養護教諭免許状申請方法は都道府県の教育委員会が公表しています。

 

<教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目>

  • ●日本国憲法
  • ●体育
  • ●外国語コミュニケーション
  • ●情報機器の操作

これらの科目を履修していない場合、大学の科目履修生として必要な単位だけ取得することで養護教諭免許状を申請することができます。

 

公立学校であれば教員採用試験、私立学校であれば各学校採用試験を受験

養護教諭免許状取得後、実際に働くためには就職活動が必要となります。公立学校での勤務をする場合は教員採用試験、私立学校では各学校の採用試験を受験します。

教員採用試験の養護教諭の倍率は自治体により異なりますが5~10倍となっています。そのため、教員採用試験に不合格になる方も多いのですが、その場合は臨時的任用職員や非常勤講師として養護教諭の職に就くことが多いです。

 

<臨時的任用職員と非常勤講師の職務と待遇>

  勤務形態 給与 社会保険等 契約期間 副業・アルバイト
臨時的任用職員 正規教員と同等 月額(正規教員と同等) 正規教員と同等 基本的に最長1年(契約期間の更新があることも) 不可
非常勤講師 時間勤務 時給2548円(横浜市) 加入要件を満たせば加入 通常数カ月~1年 可能

 

学生時代に現役で採用試験に合格できなかった場合は、臨時的任用職員や非常勤講師を行いながら、養護教諭としての経験を積み、翌年度の採用試験に挑戦することがほとんどです。

 

 

専門学校で養護教諭免許状を取得するメリット

看護師資格保持者が養護教諭免許を取得する方法として、専門学校での学びがおすすめです。専門学校を選ぶメリットは以下の通りです。

 

短期間で取得可能

唯一の専門学校である横浜高等教育専門学校であれば2年間で、養護教諭二種免許状を取得することができます。専門学校を卒業することで確実に養護教諭免許状を取得できるため、2年間の短期間で学費の出費を抑えて学ぶことができます。

 

実践的なカリキュラム

横浜高等教育専門学校で大切にしていることは「実践的な学びを通して確実に教師力をつける」です。そのため保健室現場で即戦力となるべく、保健指導方法、カウンセリング、保健室経営など実践的なカリキュラムが組まれています。グループディスカッションや実技体験等を通して、保健室現場での仕事をしっかりと把握し、こなすことができるようになります。

 

現場経験豊富な講師陣

授業を担当する講師の多くが実際の学校現場で活躍してきています。そのため実体験に基づく事例紹介や現場での対応方法、子どもや保護者、地域との関わりなど現場目線の学びをすることができます。教育現場に行けば誰でも先生です。教育の方法を理論で分かっているだけでなく、それを行動に移していくことが重要であり、求められています。専門学校では、実際の現場に出たときの基礎を養い、養護教諭の基盤を作ることができます。

 

就職支援体制

教員採用試験の現役合格は簡単ではありません。しかし多くの学生が横浜高等教育専門学校卒業後、養護教諭の仕事をしています。

 

本校では、臨時的任用職員や非常勤講師としての依頼を受ける登録会を教育委員会と連携して開催したり、教員採用試験対策を普段の授業の中に組み込んだりして、授業を受けることが教員採用試験対策に繋がるようにしています。また、個別で本校に求人が来ることもあり、様々な就職口を紹介しています。

 

このように、専門学校での学びは効率的で実践的です。一度社会人を経験している看護師資格保持者にとって、短期間かつ実践的に学びができる専門学校は、最適な学びの場と言えるでしょう。

 

 

 

 

養護教諭としての就職状況

需要と就職状況

2022年度の学校基本調査では全国の小学校・中学校で約29000人の養護教諭が勤務しています。高校を含めたデータはありませんが、全国の高校は約4900校、特別支援学校が約1150校であるため、1校一人配置されていると考えると、6000程度です。そのため、全国で養護教諭として働く人は35000人程度と考えることができます。

 

そして教員採用試験から新規で採用されるのは全国で1200~1500名程度です。

 

<全国教員採用試験の養護教諭倍率>

年度 受験者数 合格者数 倍率
2024 9523 1235 7.7
2023 9118 1331 6.9
2022 9019 1331 6.8
2021 9215 1353 6.8
2020 9017 1508 6.0

引用元)教採ギルド

 

教員採用試験の倍率だけを見ると公立学校の養護教諭への就職はそんなに簡単ではありません。

 

ただ、特別支援教育の充実や発達障害等への対応が求められる中、養護教諭の役割は重要性を増しており、神奈川県の高校では2人配置の学校多くなっています。

 

そして、全員が教員採用試験に合格している人ではなく、臨時的任用職員や非常勤講師として活躍している人も増えています。横浜高等教育専門学校の卒業生でも半数以上が臨時的任用職員や非常勤講師と養護教諭の職に就いています。

 

また、就職支援として在学中に臨時的任用職員や非常勤講師の自治体への登録会も実施しているので、いつでも養護教諭として就職できる支援体制を整えています。

 

給与や待遇

公立学校の養護教諭は公務員であるため、安定した給与水準が保たれています。神奈川県の養護教諭は令和6年度の初任給で以下の通りです。

 

<神奈川県養護教諭の初任給>

修士課程修了 289000円
大学卒 266000円
専門学校・短大卒 242000円

 

この他に通勤手当や扶養手当、住宅手当が支給され、賞与は年2回支給されます。看護師経験等があれば、年齢や職歴加算もあるので給与はさらに上がります。

また全年代平均年収は630万円程度になります。

 

給与の計算方法について詳しく知りたい方は下記も参考にしてください。(養護教諭も基本同じです)

【小学校教諭の給与】小学校教諭の年収○○万円で充実した人生を送れるのか

 

養護教諭としての勤務時間は神奈川県の場合は1日7時間45分です。実際には残業等で長くなることもありますが、養護教諭は仕事の裁量権が大きいのでうまく時間調整することで、適切な勤務時間を守ることができます。

 

出産休暇や育児休業等も取得しやすい環境なので、家庭生活を大切にしたい方は働きやすいと思います。また子どもが登校しない夏休み期間等は長期休暇も取得しやすく、家族や自分のために時間を作ることができます。

 

 

看護師から養護教諭になった横浜高等教育専門学校の卒業生

看護師から養護教諭への転職を実現した、Aさんにインタビューしました。

 

養護教諭になろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

 

私は高校卒業後、看護師を目指し、看護師として10年以上働いていました。ずっと学ぶことが好きで、子どもを産んだ後も勉強を続けていました。

 

看護師として働く中で、病気になる前の人たちと関わりたいと思うようになり、看護師から養護教諭に転職しようと考えました。

 

看護師時代のNICUでの経験と特別支援学校でボランティア活動をしていた流れで、特別支援学校の養護教員として働きました。その後小学校に移り、今は小学校で養護教諭をしています。

 

 

仕事とプライベートの線引きや切り替えについて教えてください。

最近は学校にも様々な業務を受け持つ専門の方がいるので、自分で抱え込まなくてもいい仕事は他の人にお願いするなど、仕事の整理を心がけています。

 

プライベートでは、オーケストラ活動を続けるなど趣味を通して、自分を豊かにする時間を持ち続けることを大切にしています。夏休みなどはまとまった休みも取れるのでもいい切替えになります。

 

福利厚生や生活、給与について教えてください。

看護師と養護教諭の給与に関して比較すると、基本給では教員の方がやや高い感じがします。ただ看護師は夜勤手当があるため、その分が額として大きくなります。

 

養護教諭の利点は「土日が確実に休み」「規則的な生活が送れる」ことです。

 

私は子どもの小学校入学を機に養護教諭になりました。子ども成長や家庭環境の変化で生活スタイルを変えられるのも養護教諭の仕事の魅力です。

 

 

まとめ

看護師の方々が、養護教諭への転職を検討する際のポイントをまとめると以下の通りです。

 

– 養護教諭は子どもたちの健康と安全を守る重要な役割を担う

– 看護師の知識とスキルが活かせ、子どもたちの成長を支える喜びがある

– ワークライフバランスの改善が期待できる

– 専門学校の短期間で養護教諭免許を取得できる

 

以上、【看護師から養護教諭へ転職】看護師としてのスキルを生かす、子どもと関わる仕事について紹介しました。

看護師から養護教諭へ転職を考える人は多くいます。横浜高等教育専門学校の養護科でも毎年数名は看護師免許持ちの学生がいます。看護師として患者さんと関わる中で、養護教諭を目指そうと思った人、子どもが好きで養護教諭を目指そうと考える人、ワークライフバランスを充実させたい人など様々です。

 

学校現場で看護の知識を現場目線で持っている人材は貴重です。養護教諭になれば自分にしかできない役割がきっとあります。ぜひ、自分のスキルを学校現場で生かしてみてください。

 

そのためには大学・専門学校・短期大学で養護教諭免許状を取得する必要があります。学び・時間・学費、何を優先するかで学校選びは変わってきます。転職検討者にとって横浜高等教育専門学校は2年間という短期間と学費の面でメリットがあり、学びの面も保健室現場で使うスキルや知識など実践的な学びをすることができます。養護教諭になるための志望校としてぜひ検討してみてください。

 

横浜高等教育専門学校では2年間で小学校教諭・養護教諭・幼稚園教諭・保育士の免許・資格を取得できる学校です。社会人経験者の20~40代の学生が2年間、一生懸命勉強して、多くの卒業生が神奈川や東京、全国各地の教育現場で活躍しています。ヨコセンのホームページには卒業生に仕事のやりがいについて聞いたり、学生時代の思い出をインタビューしたりした卒業生インタビューも多数掲載しているので、学校の先生、保育士に興味ある方、詳しく知りたい方は、ヨコセンのホームページをご覧ください。受験前や入学前に直接学生と話して、学校の雰囲気を感じたい方には、学校説明会も随時開催中です(遠方の方はオンラインでも実施しています)。ぜひ一度お越しください。

 

 

 

 


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