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「教員免許を取っても、先生になれなかったらどうするんだろう」
仕事を辞めて学び直すことを考えている方ほど、この不安は切実だと思います。
2年間の学費と時間をかけて、出口が一つしかないとしたら、決断はためらわれます。
ところが調べても、この不安に答えてくれる記事は多くありません。
「教員免許で就ける仕事」を検索すると、塾講師や教育関連企業の名前が並びます。
ただ、そこに書かれているのは「こういう仕事もあります」という一覧で、自分が取ろうとしている免許で本当にその仕事に就けるのかまでは書かれていません。
実際には、免許の種類によって扱いが変わります。
たとえば放課後等デイサービスの児童指導員は、小学校教諭の免許状なら任用資格に該当しますが、養護教諭の免許状は該当しません。
一方、学童保育の放課後児童支援員は、養護教諭の免許状でも基礎資格に含まれます。
この違いを書いている記事は、ほとんど見当たりません。
この記事では、教員免許で就ける仕事を、学校の中と外に分けて整理します。
校種ごとの教員の仕事、正規採用以外の働き方(臨時的任用職員・非常勤講師)、塾講師や児童指導員など学校外の進路まで、根拠となる法令を示しながら解説します。
読み終えたときに、「自分が取ろうとしている免許で、どこまでの選択肢が開けるのか」を、具体的に見積もれるようになるはずです。
目次

教員免許で就ける仕事を考える前に、そもそも教員免許とは何を指すのかを確認しておきます。
ここを押さえておくと、あとの話が整理しやすくなります。
教員免許状というと、小学校や中学校で教科を教える先生の免許を思い浮かべる方が多いと思います。
ただ、法律上の枠組みはもう少し広く取られています。
教育職員免許法第4条第2項は、普通免許状を次の3つに分けています。
保健室で子どもの健康を守る養護教諭も、給食や食育を担当する栄養教諭も、教員免許状を持って働く「教員」です。
教科を教える先生だけが教員ではありません。
そして、それぞれの免許状は次の3つに区分されます。
| 区分 | 基礎資格の目安 |
|---|---|
| 専修免許状 | 大学院修士課程の修了程度 |
| 一種免許状 | 大学の卒業程度 |
| 二種免許状 | 短期大学の卒業程度 |
高等学校教諭の免許状だけは例外で、専修免許状と一種免許状の2区分のみです。
二種免許状はありません。
なお、二種免許状は短期大学のほかに、文部科学大臣が指定する教員養成機関でも取得を目指せます。
一種と二種の違いについては、別の記事で詳しく扱っています。
教員免許で就ける仕事は、免許の位置づけによって3つに分けると整理しやすくなります。
| 区分 | 免許の位置づけ | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 免許が必要 | 就くための必須要件 | 小学校教諭、養護教諭、幼稚園教諭、中学校・高等学校教諭、特別支援学校教諭 |
| 免許が資格要件の一部 | 任用資格や研修の受講資格に該当 | 放課後等デイサービスの児童指導員、学童保育の放課後児童支援員 |
| 免許が武器になる | 必須ではないが評価される | 塾・予備校の講師、教育関連企業、児童福祉施設 |
いちばん上の「免許が必要」にあたるのが学校の教員です。
教育職員免許法第3条第1項は「教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない」と定めています。
担当する学校種や教科に対応した免許状がなければ、教員にはなれません。
いちばん下の「免許が武器になる」は、免許がなくても就ける仕事です。
塾講師や教育関連企業がこれにあたります。
そして注意が必要なのが真ん中です。
ここは免許が制度に組み込まれているため、免許の種類によって該当するかどうかが分かれます。
この記事の後半で、法令にもとづいて整理します。
先に結論を書きます。
教員免許を取る過程で学ぶのは、教科の知識だけではありません。
授業の組み立て方、学習評価の方法、学級経営、子どもの発達の理解、保護者への対応。
これらを、教育実習を含めて現場を想定しながら身につけます。
この力は、学校の外でも通用します。
放課後等デイサービスでも、学童保育でも、教材をつくる会社でも、「子どもがどこでつまずくか」「どう伝えれば伝わるか」を判断できる人は必要とされています。
ただし、正直に書いておきます。
本校の卒業生を見ると、教員以外の道に進む人は多数派ではありません。
大半は教員として就職しています。
それでもこの点を先に書いておきたいのは、「教員にならなかったら終わり」という前提で進学をためらう必要はないからです。
免許を取ることは、進路を一本に絞る行為ではありません。

ここからは、免許が必須の仕事から見ていきます。
同じ「学校の先生」でも、校種によって関わる子どもの年齢も、仕事の中身も変わります。
小学校教諭は、国語・算数・理科・社会などの教科指導に加えて、学級担任として学校生活全体を支えます。
多くの場合、1人の教員が複数の教科を担当します。
関わるのは学習面だけではありません。
友人関係や生活習慣にも日常的に関わります。
「逆上がりができるようになった」「人前で発表できるようになった」といった変化を、いちばん近い距離で見られるのが小学校教諭の特徴です。
公立小学校の教員になるには、小学校教諭の免許状を取得したうえで、各都道府県や指定都市などが実施する教員採用選考に合格する必要があります。
私立小学校では、学校法人や各学校が独自に採用を行うのが一般的です。
[補足]特別支援学級の担任も、小学校教諭の免許状で務められます
小学校には特別支援学級が置かれることがあります。
特別支援学級の担任に特別支援学校教諭免許状は法令上必須ではなく、小学校教諭の免許状で担任できます。
本校の初等課程の卒業生にも、2026年春から特別支援学級の担任になった人がいます。
参考:小学校教諭になるには?
養護教諭は、保健室で子どものけがや体調不良に対応し、健康診断、保健指導、健康相談を担当します。
いわゆる「保健室の先生」です。
看護師と混同されることがありますが、養護教諭は医療行為を行いません。
教育職員免許法でも「養護教諭の免許状」という独立した免許状が定められており、教員の一種として位置づけられています。
近年は、体の不調だけでなく、心の問題への対応も大きな役割になっています。
担任には言いにくいことが保健室で語られる、という場面は少なくありません。
保健室の外でも、授業に関わります
養護教諭の仕事は、保健室の中だけで完結するわけではありません。
文部科学省が2023年1月にまとめた「養護教諭及び栄養教諭に求められる役割(職務の範囲)の明確化に向けて」では、養護教諭の職務のひとつとして「各教科等における指導への参画」が挙げられています。
具体的な業務として示されているのは、学級担任などとチーム・ティーチングで授業に参加・協力すること、そして他の教員が授業で使う教材を作成することです。
ここに経験年数の条件はありません。
採用1年目から、担任と一緒に保健の授業に入ることがあります。
また、学校保健安全法第9条は「養護教諭その他の職員は、相互に連携して」保健指導を行うと定めています。
日々の健康観察で気づいたことを担任と共有し、指導につなげる。
これは養護教諭の基本的な仕事のひとつです。
[補足]保健の教科を「担任する」場合は、別の手続きになります
これとは別に、教育職員免許法附則第14項により、養護教諭の免許状を持ち3年以上養護教諭等として勤務した人は、当分の間、その勤務する学校で保健の教科を担任する教諭または講師になることができます(幼稚園と幼保連携型認定こども園を除く)。
こちらは兼職発令という手続きを経て、授業の担当者そのものになる形です。
チーム・ティーチングでの参画とは位置づけが異なります。
[補足]特別支援学校の養護教諭にも、特別支援学校教諭免許状は要りません
特別支援学校の教員は、原則として特別支援学校教諭免許状が必要です(教育職員免許法第3条第3項)。
ただしこの規定には括弧書きがあり、養護教諭は対象から除かれています。
つまり養護教諭の免許状があれば、特別支援学校の保健室で働くことができます。
実際、本校の養護科の卒業生にも、特別支援学校や分教室に勤務している人がいます。
幼稚園教諭は、幼稚園で3歳から就学前の子どもの教育を担当します。
遊びや日々の生活を通して、体を動かす力、人と関わる力、言葉で表現する力などを育てます。
幼児は年齢による発達の差だけでなく、一人ひとりの育ちや興味にも違いがあります。
全員に同じ課題を与えるのではなく、その子の発達段階に合わせて活動を工夫することが求められます。
なお、幼保連携型認定こども園で保育教諭として働く場合は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が原則として必要です。
中学校・高等学校教諭は、取得した免許状に対応する教科を中心に指導します。
中学校と高等学校の免許状は、校種に加えて教科ごとに分かれているのが特徴です。
教育職員免許法第4条第5項は、免許状が授与される教科を列挙しています。
中学校であれば国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術・家庭・外国語など。
高等学校ではこれに地理歴史・公民・情報・看護・福祉・商業などが加わります。
仕事は教科指導だけではありません。
学級担任として学級づくりや生活指導にも関わります。
特に中学校・高等学校では、進学や就職といった進路の選択に直面する生徒が多くなります。
一人ひとりの希望と適性を踏まえた進路指導が、大きな役割になります。
特別支援学校教諭は、障害のある幼児・児童・生徒に対して、一人ひとりの状態や教育的ニーズに応じた指導と支援を行います。
教科の学習に加えて、自立に必要な力を育てる指導にも関わります。
原則として、教育職員免許法第3条第3項により、特別支援学校の教員には、特別支援学校教諭免許状に加えて、担当する部に相当する学校(幼稚園・小学校・中学校・高等学校)の教員免許状が必要です。
ただし、ここに例外があります。
教育職員免許法附則第15項により、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教諭の免許状を持つ人は、当分の間、特別支援学校の相当する各部の教諭や講師になることができます。
特別支援学校教諭免許状を持っていなくても、小学校教諭の免許状で特別支援学校の小学部に勤務する道がある、ということです。
なお、特別支援学校教諭免許状には、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱の5つの教育領域があります。
※ 附則の項番号は法改正により変わることがあります。
本記事は2026年8月時点の条文にもとづいています。

ここまでは「教員として働く」話をしてきました。
ただ、教員として働く方法は、教員採用選考に合格して正規教員になることだけではありません。
社会人から教員を目指す方がいちばん不安に感じるのは、「試験に落ちたらどうなるのか」という点だと思います。
ここを先に整理しておきます。
臨時的任用職員(臨任)は、産休・育休や病気休職などで欠員が出たときに任用される、常勤の教員です。
重要なのは、教員採用選考に合格していなくても、免許があれば登録して働けるという点です。
学級担任を持つこともあり、勤務内容は正規教員とほとんど変わりません。
給与も正規教員と同じ給料表が適用されます。
横浜市の場合、大学卒の初任給モデルは正規教員とまったく同額です。
つまり臨時的任用は、採用試験の勉強を続けながら、正規と同水準の収入を得て、現場の経験を積める働き方だと言えます。
非常勤講師は、担当する授業時間に応じて報酬が支払われる働き方です。
時間単位で勤務するため、他の仕事や家庭と両立しやすいのが特徴です。
結論から書きます。
東京都の時間講師は経験年数によって時給2,030円から3,630円、横浜市は経験年数を問わず一律2,712円です。
一般的なアルバイトと比べると、かなり高い水準です。
免許を持っていることが、そのまま時給に反映される働き方だと言えます。
ただし、不利な点も書いておきます。
非常勤講師は授業時間に対して報酬が支払われるため、長期休業中は勤務がありません。
年間を通じて安定した収入を見込む働き方ではない、という前提で考える必要があります。
金額の詳細や年収のイメージは、給与の記事にまとめてあります。
もうひとつ知っておきたいのが「前歴換算」です。
教員として採用されるときの給与は、全員が同じスタートではありません。
それまでの学歴や職歴に応じて、給与の格付けが加算されます。
この仕組みを前歴換算といいます。
臨時的任用職員として働いた期間も、この対象になります。
採用試験の勉強をしながら臨任として働けば、収入を得ながら、将来の給与にもつながる経験を積めるということです。
社会人経験も同じく対象です。
横浜市の初任給モデルでは、民間企業で10年働いてから採用された場合、大学新卒より月54,000円高くなります。
年間では約84万円の差です。
これまでのキャリアは、教員になっても無駄になりません
。
ここまでの話が実際にどうなるのかを、本校の進路実績で示します。
2026年3月に卒業した初等課程の26名の進路は、次のとおりです。
| 進路 | 人数 |
|---|---|
| 正規採用(教員採用選考に合格) | 14名 |
| 臨時的任用 | 8名 |
| 一般就職 | 2名 |
| 未定 | 2名 |
正規採用は14名です。
ただし臨時的任用を含めると、26名のうち22名が教壇に立っています。
2025年3月に卒業した16名を含めた2年間で見ると、卒業生42名のうち33名が教員として勤務を始めています。
一般就職に進んだ2名は、いずれも子どもに関わる事業所へ進んでいます。
うち1名は児童発達支援の事業所でした。
養護科の卒業生も、養護教諭として学校に勤めるほか、学童保育、幼稚園、児童福祉施設、教育関連の企業など、子どもや教育に関わるさまざまな場に進んでいます。
この数字が示しているのは、「採用試験に合格しなければ教員になれない」わけではないということです。
臨時的任用として教壇に立ちながら、翌年の採用試験に挑戦する。
これが、実際に多くの卒業生がたどっている道です。

ここからは、学校の外に目を向けます。
教員免許が必須ではない仕事でも、免許を取る過程で身につけた知識や技能が評価される場面があります。
さらに、免許が制度上の要件そのものに組み込まれている仕事もあります。
そして、この「制度に組み込まれている」ところが、免許の種類によって扱いが分かれます。
ここを正確に押さえておくと、進路を考えるときの見積もりが変わります。
塾や予備校の講師に、教員免許は必要ありません。
ただし、教職課程で学ぶ内容は、そのまま仕事に使えます。
学習指導要領にもとづいて何をどの順で教えるのかを理解していること。
子どもがどこでつまずくのかを想定できること。
学習の到達度を評価できること。
これらは、指導経験のない人が一から身につけるには時間がかかります。
学校との違いもあります。
塾は受験対策や特定の教科の指導に重点を置くことが多く、学級経営や生活指導の比重は小さくなります。
教科を教えることそのものに集中したい人にとっては、学校より合っている場合もあります。
雇用形態は、正社員のほかにアルバイトや業務委託もあります。
応募の際は、勤務形態と報酬の仕組みを確認してください。
放課後等デイサービスは、障害のある就学児が放課後や長期休業中に通う福祉サービスです。
生活能力の向上に必要な支援や、社会との交流の機会を提供します。
事業所に配置する職員は「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第66条で定められており、児童指導員または保育士を置くこととされています。
この児童指導員は、試験を受けて取る資格ではありません。
一定の要件を満たす人が採用されたときに名乗る「任用資格」です。
要件は「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第43条に列挙されています。
教員免許に関わるのは第九号で、次のように書かれています。
教育職員免許法に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の教諭の免許状を有する者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの
ここに注意が必要です。
条文にあるのは「教諭の免許状」です。
記事の前半で見たとおり、教育職員免許法第4条第2項は普通免許状を「教諭の免許状」「養護教諭の免許状」「栄養教諭の免許状」の3つに分けています。
つまり、条文どおりに読むかぎり、養護教諭の免許状はこの第九号には当てはまりません。
小学校教諭の免許状を持っている方は該当します。
養護教諭の免許状だけを持っている方は、社会福祉士の資格、大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を修めて卒業していること、児童福祉事業での実務経験など、別の要件を満たす必要があります。
ややこしいのは、自治体の案内では「幼・小・中・高のいずれかの教員免許」と簡略に書かれていることが多く、養護教諭の扱いまでは明記されていない点です。
「教員免許があれば児童指導員になれる」と書いている記事も多く、免許の種類まで触れているものはほとんどありません。
任用資格を認めるかどうかの判断は、都道府県が行います。
条文にも「都道府県知事が適当と認めたもの」とあるとおりです。
養護教諭の免許状で応募を考える場合は、事前に自治体へ確認してください。
なお、児童指導員が配置されるのは放課後等デイサービスだけではありません。
児童養護施設や児童心理治療施設など、複数の児童福祉施設で配置が定められています。
学童保育(放課後児童クラブ)は、保護者が就労などで昼間家庭にいない小学生に、放課後の生活の場を提供する事業です。
遊びや生活の支援を通じて、子どもが安全に過ごせる環境を整えます。
学童保育で働くこと自体に、教員免許は必要ありません。
ただし、配置が義務づけられている「放課後児童支援員」になる場合は要件があります。
「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」第10条第3項は、放課後児童支援員になれる人を10の号で列挙したうえで、都道府県知事などが行う認定資格研修を修了することを求めています。
教員免許に関わるのは第四号です。
教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第四条に規定する免許状を有する者
こちらは「第4条に規定する免許状」と書かれています。
第4条は普通免許状の全体を定めた条文なので、教諭の免許状だけでなく、養護教諭の免許状も栄養教諭の免許状も含まれます。
先ほどの児童指導員と比べると、対象が広く取られています。
養護教諭の免許状で該当するのは、こちらです。
実際、本校の養護科の卒業生にも、学童保育に進んだ人が複数います。
教材を作る会社、学習サービスを運営する会社、教育系の出版社など、子どもに直接教えるのではなく、教える人や学ぶ人を支える仕事もあります。
ここでも教員免許は必須ではありません。
ただし、「学校でどの単元をいつ扱うのか」「どういう説明なら子どもに伝わるのか」を知っている人は、企画や編集の場面で必要とされます。
教材の対象学年や難易度を決めるとき、学習指導要領を読める人と読めない人では判断の速さが違います。
本校の卒業生にも、教育関連の企業や学校法人に就職した人がいます。

ここまで読んで「では、どうやって免許を取るのか」と思われた方のために、取得ルートを整理しておきます。
| ルート | 概要 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 大学・短期大学の教職課程 | 学位の取得と並行して、教職課程の単位を修得する | 高校卒業後にそのまま進学する人 |
| 文部科学大臣が指定する教員養成機関 | 教員養成に特化した課程で必要な科目を履修する | 短期間で免許取得を目指したい人 |
| 通信制大学・科目等履修生制度 | 働きながら必要な単位を積み上げる | 仕事を続けながら取得したい人 |
どのルートを選ぶかで、かかる年数も費用も変わります。
また、通信制や科目等履修生の場合は、教育実習の受け入れ先の確保など、単位を積む以外にも準備が必要になることがあります。
「単位さえ揃えば免許が出る」と考えていると、想定より時間がかかることがあります。
ルートごとの比較や費用の目安は、別の記事で詳しく扱っています。

ここまで、教員免許で就ける仕事を学校の中と外に分けて見てきました。
最後に、本校について紹介します。
横浜高等教育専門学校は、文部科学大臣が指定する教員養成機関です。
大学との併修なしに、2年間で教員免許状の取得を目指せます。
4年制大学に進むルートと比べて、在学期間が2年短くなります。
学費と、働き始めるまでの時間の両方が変わります。
記事の前半で見たとおり、2026年3月に卒業した初等課程の26名のうち、22名が正規採用または臨時的任用として教壇に立っています。
前半で、養護教諭が採用1年目から担任と一緒に保健の授業に入ることがある、と書きました。
本校の養護科では、そのための演習を在学中に行っています。
「養護実習指導」では、学生一人ひとりが自分で指導案を書き、10分程度の模擬授業を行います。
授業で使う教材や資料も、自分たちで作ります。
テーマは保健指導に関わることであれば自由です。
虫歯、栄養、性、健康など、学生がそれぞれ関心のある題材を選んで扱っています。
「衛生学演習」でも、模擬授業に取り組みます。
指導案を書き、教材を作り、人前で授業をする。
この一連の流れを在学中に経験しているかどうかは、現場に出てからの動きに差が出ます。
記事の中で触れた前歴換算は、社会人から教員を目指す方にとって大きな意味を持ちます。
これまで働いてきた期間は、教員として採用されるときの給与に反映されます。
横浜市の初任給モデルでは、民間企業で10年働いてから採用された場合、大学新卒より月54,000円高くなります。
「遠回りをした」と考える必要はありません。
制度として、これまでの経験が評価される仕組みになっています。
本校には、高校を卒業してすぐ進学する人だけでなく、大学卒業者や社会人経験者も在籍しています。
年齢層は20代前半から40代・50代まで幅があります。
「自分の年齢で入学して浮かないだろうか」という不安は、社会人の方からよく聞きます。
同じような経歴の人が同級生にいるかどうかは、2年間を続けられるかどうかに直結します。
本校では、一定の資格や免許を持つ方、社会人経験のある方を対象に、入学金の減免制度を設けています。
対象は次のいずれかに該当する方です。
減免といっても、入学前に免除される形ではありません。
入学金はいったん納入したうえで、入学後に手続きを行い、完了後に20万円が返金されます。
入学時に必要な費用は変わらないため、資金の準備をするときは、この点を織り込んでおいてください。
※ 対象条件や手続きは変更される場合があります。
出願の際は、最新の募集要項または学校公式サイトでご確認ください。
学費のこと。
仕事を辞めて通えるのか。
同年代の学生がいるのか。
採用試験の対策はどうなっているのか。
こうした疑問は、資料を読むだけでは判断がつきません。
オープンキャンパスでは、授業の様子を見て、教員や在学生に直接質問できます。
この記事の要点を整理します。
教員免許を取ることは、進路を一本に絞る行為ではありません。
免許が必須の仕事、要件の一部になる仕事、武器になる仕事。
この3つの層があり、どの層を選ぶかは取ってから考えることもできます。
一方で、本校の卒業生の大半は教員として就職しています。
「教員以外の道もある」というのは、やりたいことの延長線上に別の選択肢も用意されているという意味です。
教員一本に賭ける不安を減らすための材料として受け取ってもらえればと思います。
自分がどういう形で子どもや教育に関わりたいのかを整理して、そこから逆算して免許と取得ルートを選んでください。
本記事の記述は、次の資料に基づいています(2026年8月時点)。
法令
省庁資料
自治体資料
自校データ