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2021年7月14日
保育者になるなら知っておきたい、保育士と幼稚園教諭4つの違い

前回、これから保育者を目指すのであれば、保育士資格と幼稚園教諭免許は2つ取得した方が良いという記事(保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を取得するメリット)を書きましたが、今回は似ているようで違う職業である保育士と幼稚園教諭にフォーカスして4つの視点から違いを紹介します。

保育士と幼稚園教諭、知っておきたい4つの違い

  1. 福祉と教育
  2. 仕事内容と一日のスケジュール
  3. 保育者の給与
  4. 保育者のための支援制度

 

1、福祉と教育

子どもと接するという点では同じ職業の保育士と幼稚園教諭ですが、それぞれ職の分野が違います。

  • ●保育士→福祉職
  • ●幼稚園教諭→教育職

福祉とは人が幸福で安定した生活するといった意味があります。では、保育士が子どもに対して行う福祉とは何でしょうか?例えば、保育園には生後57日目から入園することが可能ですが、この時期の乳児は、一人でご飯を食べたりトイレに行ったり着替えをしたりするといった基本的な習慣を身に付けていません。しかし、これらのことはできなければ生活していく上で支障をきたしてしまいします。そのため、福祉職である保育士が乳児へ養護と教育面での支援をすることで乳児の生活を安定したものへと導きます。

 

それに対して幼稚園は教育機関であり、教育によって知識や技能を身につけさせたり、才能を伸ばしたりします。小中高や大学で、国語、数学、英語など色々と勉強してきたことは全て「教育」の範疇にあります。その延長線上に幼稚園があり、幼稚園教諭は幼児の遊びの中で生涯にわたって生活や勉強の好奇心や探求心が育つように教育を行っていきます。

 

ただ近年、幼保一元化といって乳幼児期の保育・教育を統一化していく流れになっています。上記では違いを分かりやくするために、役割を分けて書きましたが、保育士だから教育をしない、幼稚園教諭だから生活面での養護や教育をしないということではありません。子どもが成長するためには、生活面の能力や教育による知識や技能の取得は欠かせないもです。したがって、保育士・幼稚園教諭は一人ひとりの子どもと向き合ってその子に必要な支援をすることが求められます。

 

2、仕事内容と一日のスケジュール

保育士の仕事内容
  1. 保育所保育指針に沿って子どもに基本的習慣を身に付けさせる
  2. 遊びを通して心身を発達させる
  3. 集団生活を通して社会性を身に付けさせる

 

幼稚園教諭の仕事内容
  1. 幼稚園教育要領に沿ったカリキュラムにより探求心や好奇心を育てる
  2. 行事の企画や園の装飾など
  3. 園での活動を通して協調性や創造性を身に付けさせる

 

幼稚園・保育園の一日のスケジュール
幼稚園 保育園
時間 仕事内容 時間 仕事内容
8:00 出勤 8:00 出勤
8:30 園児お出迎え 8:30 園児お出迎え
9:00 クラスの活動(工作、運動などのカリキュラム) 10:00 保育(散歩・室内遊びなど)
12:00 昼食、手洗い、排せつ 11:00 昼食、手洗い、排せつ
13:00 自由遊び 12:30 お昼寝準備
14:00 お見送り 15:00 おやつ準備
15:00 事務作業、行事準備 16:30 お見送り
17:00 退勤 17:00 退勤

 

午前中は保育士も幼稚園教諭も保育する時間がメインです。幼稚園では、子どもを預かる時間が4時間のため、事務仕事や行事の準備をしたり保育以外の仕事をする時間があります。ただ延長保育をする園では夕方ぐらいまで子ども預かります。保育園では、子どもが朝から夕方まで過ごすため食事、排せつ、昼寝など生活する上での援助をする機会がより多くなります。保育士も行事の準備や事務仕事はあるので保育の途中でうまく時間を作ってこなしていきます。

 

 

3、保育者の給与

働く上で大切な給与。幼稚園教諭や保育士は実際にいくらぐらいもらえるのでしょうか?

厚生労働省が発表している賃金基本構造調査の結果を見ると下記のようになっています。

幼稚園教諭の平均年収約354万円(平均年齢34.4歳)
保育士の平均年収約358万円(平均年齢36.7歳)

参照:厚生労働省令和2年賃金基本構造調査

 

月給にすると幼稚園教諭約23.6万円、保育士約23.8万円となっているようです。また、年間賞与(ボーナス)は幼稚園教諭約70.9万円、保育士約72万円です。

実際に一人暮らしなどで働くと、ここから生活費をねん出することになります。

給与面では幼稚園教諭と保育士でほとんど変わらないので、就活の際は自分がやりたいと思う方にチャレンジしてみることが良さそうです。

 

 

4、保育者のための支援制度

最後に、保育者になる前となった後での自治体が行っている支援制度を紹介します。現状では主に保育士として働くと対象になる制度が多くあります。どの自治体で働くかによりますが、下記の4つのいずれかを実施しているところが多いようです。

  • ●保育士修学資金貸付制度
  • ●保育士就職準備金貸付制度
  • ●保育士宿舎借り上げ支援制度
  • ●保育料の一部貸付制度

 

保育士修学資金貸付制度

対象:保育士養成校に在学していて、将来その自治体で保育士として働く意志がある人

内容:月額5万円以内の貸与(無利子)

メリット:その自治体が指定する保育所等の施設で5年間保育士業務に従事することで貸付金の返還が全額免除

参照:保育士修学資金貸付事業のご案内(神奈川県社会福祉協議会)

 

ヨコセンの保育課程の学生も利用しています。他の自治体の同じような制度を本校の入試要項に掲載記載しています。資料請求はこちらから

 

 

保育士就職準備金貸付制度

対象:養成校卒業から1年以上経過し、新しくその自治体の保育所等で働くことが決定している人

内容:20万円以内の貸与(無利子)

メリット:その自治体が指定する保育所等の施設で2年間保育士業務に従事することで貸付金の返還が全額免除

参照:保育士就職準備金のご案内(神奈川県社会福祉協議会)

 

再就職する方が対象となる制度です。養成校在学中は利用できませんが、卒業後は知っておきたい制度です。

 

 

保育士宿舎借り上げ支援制度

対象:その自治体が定める保育所等で勤める10年目以内の保育士

内容:家賃の月額8.2万円の3/4(6.1万円)までを自治体で補助

メリット:働いている法人からも家賃補助がでれば、住居費で8万円程度の補助が受けられ生活費をかなり抑えることができる

参照:横浜市保育士宿舎借り上げ事業

 

保育士としての大きなメリットです。上手く活用すれば、一人暮らしの場合、ほぼ家賃はかからずに済みます。

 

 

保育料の一部貸付制度

対象:未就学児を持つ保育士であって、その自治体で新たに勤務する人

内容:未就学児の保育料の半額を無利子で貸付(月額上限2.7万円)

メリット:その自治体が指定する保育所等の施設で2年間保育士業務に従事することで貸付金の返還が全額免除

参照:未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付事業のご案内(神奈川県社会福祉協議会)

 

自分の子どもを保育園に預けるときに利用できる制度です。出産後復職や再就職する際には知っておきたい制度です。

 

 

以上の4つの違いについて書いてきました。保育士・幼稚園教諭どちらも子どもの将来に関わる重要な仕事ですが、それぞれ職務内容や働く上での支援制度で違いがあります。いざ就職となったときに自分の希望が叶うように保育士・幼稚園教諭免許は2つ習得しておくことをお勧めします(ヨコセンでは保育士・幼稚園教諭の2つの資格が卒業と同時に取得できます)。横浜高等教育専門学校では随時、保育士・幼稚園教諭を目指す方のためにオープンキャンパスを開催していますので、気になる方はぜひご参加ください。


 

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