2024年8月6日
【養護教諭として働く卒業生】養護教諭への思いと働き方

2024年7月に実施した卒業生講演会の内容です。横浜高等教育専門学校の養護科卒業生がどんな思いで養護教諭を目指し、どのような2年間を過ごして教員になったのか?これから養護教諭を目指そうしている高校生・大学生・社会人の皆さんの参考になるインタビュー内容です。

 

教員の自己紹介

【質問者(在校生)】

では、まず先生のご紹介をさせていただきます。皆さんから見て右手側から、養護科卒業生のA先生、B先生です。では、最初に軽く今までの経歴を踏まえての自己紹介と、先生を目指そうと思ったきっかけをA先生から順番にお願いします。

 

 

【A先生】

高校卒業後は看護師を目指し、看護師として10年以上働きました。ずっと学ぶことが好きで、子どもを産んだ後も勉強を続けていました。

 

看護師として働く中で、病気になる前の人たちと関わりたいと思うようになり、看護師から養護教員に転向しようと考えました。免許を取るために横浜高等教育専門学校に入学しました。

 

看護師時代のNICUでの経験と特別支援学校でボランティア活動をしていた流れで、特別支援学校の養護教員として働きました。その後小学校に移り、今は小学校で養護教諭をしています。

 

 

【B先生】

高校卒業後、美容師の専門学校に行き、20歳から6年間美容師をやっていました。3.11をきっかけに仕事を見直し、学校が大好きだったことから教員を目指し始めました。

 

専門学校の良さは美容師の学校のときに感じていたので、再び専門学校で学びたいと思いこの学校に入学しました。卒業後は美容の学校で養護教諭として働き、その後高校で働いて、今年から中学校で養護教諭をしています。

 

 

教員として大切にしていること

【質問者(在校生)】

先生として働いている中で、大切にしていることや心がけていることをお伺いしたいです。例えば子どもたちとの関わりや、他の先生との関わりの中でなど、お聞かせください。

 

 

【A先生】

大切にしていることは「セルフマネジメント」、つまり自分をコントロールすることです。保健室には様々な子が来るので、話を聞いたり、寄り添ったりする中で、自分の中でしっかりコントロールをして仕事として成立させていくことが大切だと思っています。

 

 

【B先生】

生徒や教員とのつながりの中では、コミュニケーションと本音で話すことを心がけています。高校生や中学生は大人が上辺で話しているのか、本音で話しているのかわかるので、言える範囲で思っていることを自分の言葉で伝えるようにしています。

 

また、定時で帰ることを心がけています。そのために、事務仕事は来た日に必ずやるようにしています。定時までは一生懸命働き、定時には帰るというようにバランスを取っています。

 

 

仕事とプライベートの線引き

【質問者(在校生)】

教員の時間外労働についてよく言われますが、仕事とプライベートの線引きや切り替えについて、それぞれの先生の考えをお聞かせください。

 

【A先生】

最近は学校にも様々な専門の支援者が入ってきているので、自分で抱え込まなくてもいいものは他の人にお願いするなど、仕事の整理を心がけています。

 

プライベートでは、オーケストラ活動を続けるなど自分を豊かにする活動を持ち続けることが大切だと思います。夏休みなどはまとまった休みも取れるので、そういった時期を使ってオンオフを切り替えています。

 

【B先生】

去年まで高校で勤務していた時は、仕事とプライベートの境目がほとんどありませんでした。部活動の指導や大会の運営など、休日も含めて仕事に没頭していましたが、それも充実していました。

 

今は中学校に移り、定時退社を心がけるなど、プライベートと仕事をしっかり分けています。これもこれで素敵な働き方だと感じています。

 

大切なのは、自分がどうしたいかをちゃんと選べて、それに向けて動けることだと思います。自分の好きなことを大切にしつつ、生徒の好きなことも一緒に大切にできると信頼関係が築きやすいと感じています。

 

採用試験対策について

【質問者(在校生)】

採用試験の対策で意識したことや気をつけた方がいいことを教えてください。

 

 

【A先生】

この学校の授業は採用試験を意識した内容になっているので、しっかり受講すれば大丈夫です。二次試験対策も学校がサポートしてくれます。わからないことがあれば、先生方に積極的に相談するのがいいでしょう。

 

【B先生】

勉強面では、私は1日8時間ほど勉強しました。模擬授業では、最初は詰め込み過ぎてしまいましたが、45分の授業全体を想定して準備するようアドバイスをもらい、点数が上がりました。リアルな授業を想定して準備することが大切です。

 

 

教員の仕事と生活について

【質問者(在校生)】

 在校生からの最後の質問です。福利厚生や生活、給与について率直な経験をお聞かせください。

 

 

【A先生】

看護師と教諭の給与に関してお話しするとを比較すると、基本給では教員の方がやや高い感じがします。ただ看護師は夜勤手当があるため、その分が額として大きくなります。

 

<教員の利点>

・土日が確実に休み

・規則的な生活が送れる

 

私は子供の小学校入学を機に教員になりました。生活スタイルを変えられるのも魅力の一つです。

また、自治体によっては様々な特典があります

・プールの無料利用

・美術館などの割引など

これらを活用して自己学習を進められます。

 

【B先生】

中高の教諭としては、休暇と給与面は安心できるレベルです。

<休暇の特徴>

・テスト期間中は午後に早く帰れることがある

・夏休み、冬休みはしっかり休める

・部活動指導者でなければ土日も休める

・部活動指導の場合、振替休日か手当が選べる