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保育士は素敵な仕事

払拭した保育園への先入観

母として3人の娘の子育てをしました。上の2人は幼稚園、一番下の娘は保育園に通園しました。私の先入観では、保育園に娘を預けることは、親の都合で娘を社会の中に突き放してしまうような負い目を感じていました。一番下の娘を初めて保育園に送っていったときは、親の私の方が涙を流してしまったことを記憶しています。 ところが、娘を見てくださったその保育園の先生がとても素敵な先生で、子どもたち一人ひとりに対して愛情を持って見てくださって、保護者にも細やかな心配りで接してくださいました。その先生は私が保育園通園に対して抱いていた負い目を払拭してくださっただけでなく、その先生に対する憧れから、保育士は何て素敵な仕事なんだろうとさえ思うようになりました。 その頃、保育士助手募集のチラシが折り込まれているのを見て、応募し、面接を受けたのが、夢のつぼみ保育園でした。 「私を採用してよかったと絶対に思っていただけると思います」と面接で売り込むと、園長先生も「ぜひ」と採用していただくことになりました。 何も知らなかった保育の世界で、実際に働いてみると、思った以上に大変で、園児の年齢や家庭の事情など、こんなにいろいろなことを知らないとできないのかと驚きました。資格を取るとともに本格的に保育を学びたいと園長先生に相談したところ、先生の母校の横浜高等教育専門学校を紹介してくださいました。そして一念発起して、昼間は学生、放課後は保育助手と母親という生活が始まりました。

娘の世代に交じって2年間を学ぶ

娘とほぼ同世代のクラスメートに混ざって学んだ2年間。子育ての経験もあって、保育園で助手もしていましたが、保育を系統的に学ぶとほんとうに多くのことを学ぶ必要があることを知りました。家事を一通り済ませて、家族が寝静まってから勉強。試験のときは娘が食事を作ってくれました。濃密な二年間でしたが、こうした家族の協力もあって、無事二年間で卒業をすることができました。卒業式には3人の娘を呼んでいただき、保護者席の最前列に座らせていただきました。

『お預かりします』の言葉の重さを

専門学校の2年間の中で学んだことの中でも最も印象的に残っている言葉があります。「毎朝のあいさつの『お預かりします』の言葉の中には、子どもを預かるだけでなく、お父さんとお母さんの気持ちも預かっている」という先生の言葉です。今、私は夢のつぼみ保育園の園長先生や地域の皆さんのバックアップで、新しい保育園を運営しています。そして、その園のスタッフにはその言葉を伝えています。「この保育園でよかった」と、誰からも言ってもらえる保育園を目指して頑張っています。 皆さんも壁にぶつかることもあるかもしれません。しかし、保育士は本当に素敵な仕事です。くじけないで頑張ってください。

Profile
岡本 由美さん

児童科保育課程 2008年卒業
NPO法人全国子育て支援ネットワーク協会 つぼみ保育園園長