卒業生の声/養護科
“全校のお母さん”と言われるように
佐藤 木綿子 先生

横浜市立小学校養護教諭
養護科 平成21年卒業

児童の気持ちに寄り添える先生に

小学生のころから先生になりたくて、高校卒業後、大学の教育学部に進学しました。そのまま進めば、きっと高校の英語の先生になっていました。そんな時、大学のゼミのフィールドワークで不登校の生徒が通うフリースクールを見学する機会があり、そこで目にした教師と生徒の独特な接し方が強く印象に残りました。先生と生徒が同じ方向を向いていることが新鮮で、魅力的でした。私の中に児童や生徒と1対1で関わりたい気持ちがあることに気づきました。
その後、中高の英語教諭の教員免許を取るために母校で教育実習を行いました。高校生も実習生の私に親しみを持ってくれ、ある日、目を赤くはらした女子生徒が私のもとに相談に来ました。教室では1対1で話を聞くことができず、保健室で続きを聞きました。その時、「本当にしたかったのはこれだ」と気づきました。生徒と同じ方向を向いて対峙する養護教諭。振り返ると、高校時代にも養護教諭にあこがれがありました。ただ、その時は養護教諭よりも幅広い分野で教員への夢を実現できる教育学部を選んだのでした。「養護教諭になるしかない」。すっきりした気持ちで新しい道を進みました。

今、もう一度受けたい実践的な授業

横浜高等教育専門学校はインターネットで見つけました。大学卒業という回り道をしているので、横浜から近いことと2年間という短い修業期間であることが、学校を決めるポイントでした。
今でも教室の様子がパッと浮かびます。教室には、いろいろな年代、いろいろな経験のあるクラスメイトがいるので、勉強になることがたくさんありました。お子さんのいる人には親の気持ちが聞けるし、高校を卒業したばかりの人には、自然に元気がもらえました。
教員採用試験の準備も大変でした。横浜市の二次試験はその場で与えられた課題についてロールプレイを行います。夏休み中に本校で対策を繰り返しましたが、それでも当日はプレッシャーで足が震えていました。

児童の元気な姿に養護教諭のやりがいを感じる

保健室の先生は小学校に一人しかいません。初任の時はベテランの先生が週一、二度ついてくださいますが、ほとんど一人で対応しなければなりません。保健室から発信する情報も、自分で考えて担任の先生や保護者に伝えます。初めは不安もあり、緊張もしました。
そんな時は近隣の小学校に同時に赴任した本校のクラスメイトと連絡を取り合って乗り越えました。私が困っていると「私はこうしている」とアドバイスをくれます。たくましく仕事をする彼女の姿が、小さなことで落ち込む私に勇気をくれました。
養護教諭は仕事がたくさんあります。例えば、掲示を工夫すれば児童は足を止めるし、朝あいさつに立てば全校の児童の顔を見ることができます。いろいろなところで児童との関わりが持てるし、児童のこともわかります。元気がない、おなかが痛い、頭が痛い…。児童が何らかの不安を持つ時、私が話を聞いたり、何か別のことをするよう促した結果、教室で元気に過ごす児童の姿を目にすると、養護教諭のやりがいを感じます。
全校の担任と言われたことがありました。クラス担任と違い、児童の学年が変わっても、児童と保健室の先生の関係は変わりません。児童一人ひとりを広く深く知って。”全校のお母さん”のようになりたいと考えています。

[平成22年12月取材]