卒業生の声/養護科
複雑な子どもの思いをほどきたい
東 萌香 先生

横浜市立小学校養護教諭
養護科 平成26年3月卒業

輝いていた保健室の先生

「人はどうして生きていくのか。人間に関わることが知りたい」
大学では広い分野の知識を得たくて、心理学部に進学し、脳の発達を中心に、ストレスの分類と精神疾患の予防と障害児について学びました。
ボランティアでは横浜市内の小学校で個別支援学級の手伝いに行き、夏休みは児童館で子どもたちの面倒を見ていました。大学3年になると、就職活動と並行して横浜市の保健室支援者のボランティアをしました。保健室支援者は保健室を訪れる児童の多い学校で、週1回、養護教諭の補助として児童の話を聞く仕事で、1年間続きました。
児童の思いがあふれ出したり、かたくなに口を開かない児童がいたり、それぞれに複雑な理由があることが分かり、話を聞くことの難しさを知りました。
「何とかして、その理由をほどいてあげよう」
心を開かせたい一心で子どもたちに接しました。そして、その保健室で児童に向き合っている保健室の先生は、いつも輝いて見えました。
気づいたら、就職活動もストップして、養護教諭について本格的に調べていました。そして、たどり着いたのが横浜高等教育専門学校でした。

クラスの仲間と一つになれた

私はそれまでずっと共学校で、サッカーを続けてきたこともあり、男子の友達も多く、女子のみという養護科の環境にうまく馴染めるか不安でした。
しかし、そんな不安も入学直後のオリエンテーションで払拭しました。担任の先生の進行でクラス全員が「なぜ養護教諭になりたいか」を一人ずつ語りました。自分の思いを伝え、仲間のことを知り、自分自身の気持ちも再確認し、養護教諭という目標から一つの連帯感が生まれました。
授業の中には医学的な内容で難しい科目もありました。でも、先生の授業の進め方が上手で、クラス全員が一つになって予習や復習を行うことができました。自然に他の授業で分からないところも、お互いに質問し合えるようになっていました。
時間割に組み込まれている教員採用試験対策には、合格を目標に入学時から参加しました。小テストもあって、毎回一生懸命でした。
模擬授業が苦手な私は夏休みの二次試験対策の参加をためらっていました。
そんなとき、クラスの友人が「一緒に合格しよう」と二次試験対策に参加するよう声を掛けてくれました。「よかった」という模擬授業後の先生の感想が私の背中を大きく押してくれ、本番でも自信を持ってできました。先生方の指摘はいつも鋭く、的を射ています。合格できたのも先生方のおかげととても感謝しています。

経験を重ねて理想像を追求

養護教諭の仕事に就いて、「私は人と関わる仕事がしたかった」と改めて感じています。そして、そのテーマが子どもの健康であって、子どもの健康をしっかり見据えて、歯磨き、手洗いにも目を向けられる先生になりたいと考えています。
養護教諭の仕事は子どもに対して温かく、場合によっては厳しく、距離を置かなければいけないケースもあります。今の目標は言葉のコミュニケーションから信頼関係を築き、子どもたちの健康に寄り添える養護教諭になることです。これからさまざまな経験を積み重ねて、自分の養護教諭の理想像を追求したいと思います。

[平成27年8月取材]